文献情報
文献番号
200500626A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザへの事前準備と大流行発生時の緊急対応計画にに関する研究
課題番号
H17-新興-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所ウイルス第3部)
研究分担者(所属機関)
- 喜田 宏(北海道大学大学院獣医学研究科)
- 河岡 義裕(東京大学医科学研究所)
- 岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 竹森 利忠(国立感染症研究所 免疫部)
- 山田 章雄(国立感染症研究所 獣医科学部)
- 小林 睦生(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
- 長谷川 秀樹(国立感染症研究所 感染病理部)
- 小田切 孝人(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
- 西藤 岳彦(独立行政法人 動物衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
160,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
H5N1型高病原性鳥インフルエンザは、アジアからヨーロッパ、アフリカへ拡大し、新型インフルエンザ大流行が危惧される。未曾有の健康被害に加え、医療サービス、交通・物流の破綻による食糧やエネルギー供給低下など、社会・経済機能の破綻が懸念される。新型インフルエンザ大流行時に備えて、健康被害の最小限化と社会経済機能維持のために、事前準備と行動計画の策定と実施に必要な理論的、技術的基盤確立を目的とした。
研究方法
1.新型インフルエンザ出現機序と出現予測方法、2新型インフルエンザ早期検知体制、3.LAMP法による新型ウイルス迅速診断法の開発・普及、4.新型ワクチンの緊急開発・増産・接種体制、5.抗ウイルス剤の備蓄と使用方法、6.緊急医療確保体制、7.感染病理機構と有効安全な経鼻投与ワクチン、治療方法、8.健康危機管理、社会危機管理体制の整備計画を、検討した。
結果と考察
1.ウイルスのレセプター結合特性、RNAポリメラーゼと宿主体温との関係を明確にして、H5型鳥ウイルスは人型に変化しつつあると警告。2.国内外で動物インフルエンザ流行動向を検討し、新型インフルエンザ出現の可能性を警告。3.新型ウイルス早期検知と流行監視体制の構築を進め、アジア諸国に対し技術支援。4.LAMP法をH5,N9型ウイルスに応用し、迅速、簡便で感度と特異性の高い診断キットの開発と、RT-PCR法を改良。5.新型ワクチン緊急開発に使用するリバースジェネティクスを改良し、ワクチン製造株開発を2週間以内で可能とした。H5N1型ワクチンの低免疫原性の原因を究明し、アジュバント使用基盤を確立。アルミアジュバント添加不活化全粒子ワクチンを試験製造、非臨床試験で安全性、有効性を確認し、臨床第1相試験を実施中である。6.人の鳥型ウイルス感染発症機構、病原性分子基盤、宿主応答と感染防御免疫を解析した。7.抗ウイルス剤の有効性、副作用、耐性を検討し、抗ウイルス剤政策の妥当性、問題点を検討した。8.新型インフルエンザ出現の早期阻止、遅延のための介入手段を評価した。早期封じ込め戦略を検討しWHOの戦略に組み込んだ。9.机上演習を実施して問題点を抽出した。?I新型インフルエンザ対策行動計画案を緊急提案した。これを基に国の対策行動計画が発表され、対策が一挙に推進された。
結論
結果と考察に含む。
公開日・更新日
公開日
2006-04-26
更新日
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