マルチメディアを活用した視覚障害者用教育訓練支援システムの研究開発

文献情報

文献番号
200500624A
報告書区分
総括
研究課題名
マルチメディアを活用した視覚障害者用教育訓練支援システムの研究開発
課題番号
H17-感覚器-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
河村 宏(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 北村 弥生(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 岩谷 力(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
  • 杉江 勝憲(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 舘田 美保(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 加藤 博志(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 小林 好彦(国立塩原視力障害センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,496,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最新のITを活用して視覚障害者のリハビリテーションにおける教育訓練モデルを研究し、理療教育の向上と視覚障害者の職域拡大に資する教育訓練支援システムのプロトタイプを開発し、高次脳機能障害等の認知障害者の教育訓練支援へと成果の波及も視野に入れてそれの評価を行う。
研究方法
国リハ研究所の研究開発シーズと更生訓練所の臨床評価機能を統合して、DAISYとITを最大限に活用した教育訓練支援システムを開発し、理療教育部を持つ国立5センターの教官と入所者の協力を得て評価する。また、急速に変化するマルチメディアの開発動向を的確に把握して、将来にわたる国際的な資源共有に留意して研究を進める。
結果と考察
5センターすべてから参加する共同研究者と共に態勢を構築し、5センターの理療教育課程在籍者の「読み書き」を中心とした「学習環境調査」および理療教育担当教官を対象とする「教官支援技術調査」、国リハセンター理療教育課程最終学年を対象とした「IT利用と家族関係および自己概念に関する調査」を実施した。これらの調査結果はシステムの利用者像と教官像を明らかにする基本データであるが、更に詳細な分析と補足的な調査を2年次に実施する。教育訓練システム開発をパソコンを中心に置いたプロトタイプ開発として進め、5センターに評価用のコンテンツ製作および情報アクセスの環境整備を行い、平行してサンプル教材の製作を進めた。国際的な資源共有については、1年次に英国、スウェーデン、米国の関係機関の活動の調査と研究の交流を進め、2年次には韓国、タイ、インドを含めて資源共有に関する研究ネットワークを構築する。
結論
調査から得られた「点字の読み書きの習得が困難であり、複数の手段を用いて読み書きしているが、点字、録音(DAISY録音図書を含む)、テキスト(電子ファイル含む)の中で最も多く使われている読み書きの手段はテキストである」という理療教育課程在籍者の典型的な「読み書き像」によれば、点字・音声・墨字を自在に組み合わせられる教育訓練システムが必須である。回答者の62%がパソコンを所有しており、聴覚にも問題がある在籍者が16%にも及ぶので、パソコンをベースにしたマルチメディアのDAISY仕様のアプリケーションとしての読み書きシステムの中に教材を位置づけ、高機能のスクリーンリーダーと表示拡大機能によるe-learning機能をそれにシームレスに統合したシステムを開発し、それの評価をもとに教育訓練モデルを2年次以後に構築する。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
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