盲ろう者の自立と社会参加を推進するための機器開発・改良支援システムの構築ならびに中間支援者養成プログラム作成に関する研究

文献情報

文献番号
200500615A
報告書区分
総括
研究課題名
盲ろう者の自立と社会参加を推進するための機器開発・改良支援システムの構築ならびに中間支援者養成プログラム作成に関する研究
課題番号
H16-感覚器-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中野 泰志(東京大学 先端科学技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 伊福部 達(東京大学 先端科学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
盲ろう者用の支援機器に関する研究は数多く存在するが、現在、市販されてユーザに供給されている製品は皆無である。その主な原因として、1)ユーザの特性や生活上のニーズを十分反映できていなかった、2)市販を視野に入れた開発戦略が不十分であった、3)製品の使用方法を支援する人材を考慮していなかった点が考えられる。本研究では、これらの問題点を解決するために、a)盲ろう者の実態やニーズを調査し、b)コミュニケーションやセルフケアを支援するインテリジェントな情報端末を開発し、c)機器の使い方を盲ろう者に届けるためのシステムの構築を目指す。また、製品の安定供給を支援する、「ニーズとシーズの循環型開発・改良支援システム」の構築を目指した実践的研究を実施する。
研究方法
本研究は、a) ユーザのニーズ調査、b)セルフケアを支援する機器の開発・改良・評価、c)その機器を盲ろう者に適切に届けるためのシステムの構築という3つのクラスタで研究を実施する。今年度は、1)セルフケアに関するニーズ調査、2)調査に基づいたセルフケアモジュールの開発、3)開発モジュールの機能とユーザの適合度に関する実験研究、4)ユーザからのフィードバックに基づいたモジュール機能の修正、5)中間支援者養成プログラムの実施及び人材育成システム構築のためのデータ収集を実施する。
結果と考察
実態調査と生活機能の分析から、セルフケアを行う上で、1)体重・体温・血圧の測定について最もニーズの高いことがわかり、2)これらの機能を実現させるためのセルフケアモジュールを開発した。また、3)技術とニーズの適合度に関する評価実験を実施し、開発したセルフケアモジュールが盲ろう者の実際のニーズを満たしているかどうかについて検証した。結果、セルフケア機能に加え、通信機能を活用してデータのやり取りを可能とする機能の充実を求める声が高まり、4)携帯電話との接続を視野に入れた試作機の開発に着手した。さらに、5)盲ろう者向け中間支援者養成プログラムを実施しながら、そのプロセスを記録し、「盲ろう者向け支援機器マニュアル」の試作を行った。
結論
開発したセルフケア機器の評価実験により、自立的なコミュニケーションを実現するための通信機能の必要性が明らかとなった。本年度は、この通信機能の試作及び評価を行い、来年度に計画しているリモート・コンソール・システムの構築に関する予備的研究を実施した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-20
更新日
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