障害者のケアマネジメントの総合的研究

文献情報

文献番号
200500599A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者のケアマネジメントの総合的研究
課題番号
H17-障害-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
坂本 洋一(和洋女子大学家政学部生活環境学科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 順一郎(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 高原 伸幸(社会福祉法人つつじさぽーとせんたー「かもみーる」)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 市町村における相談支援体制を構築するためには、障害者自立支援法におけるケアマネジメントの制度化を念頭において、障害福祉サービスの支給決定プロセスにおいてケアマネジメントの手法をどのように展開するか、また、そのための相談支援事業者の人材をどのように養成するかを明らかにする必要がある。
 そこで、本研究では、「利用決定プロセスにおけるケアマネジメントのあり方」(研究1)及び「相談支援事業者の人材の確保と資質の向上の仕組みのあり方」(研究2)を明らかにすることを目的とする。
研究方法
 研究1においては、厚生労働省障害保健福祉部の障害程度区等試行事業の実施に伴い、相談窓口の相談から支給決定を経てサービス利用計画案を作成する一連のプロセスにおける調査、また、利用者本人に対する調査を実施した。さらに、主な自治体の障害者ケアマネジメント担当者に訪問調査を実施した。これらの調査結果を基に、相談支援マニュアルを作成した。
 研究2においては、障害者自立支援法のケアマネジメント制度化のプロセスを検討し、介護保険制度の介護支援専門員実務研修と障害者ケアマネジメント従事者養成研修のカリキュラムの比較検討、都道府県における3障害合同の研修カリキュラムの実態調査を行った。これらの結果を踏まえて、都道府県等で実施される「相談支援専門員養成研修」及び「相談支援専門員現任研修」のカリキュラムを作成した。
結果と考察
 研究1では、対象者がもつ障害の特性に合わせて、豊富で適切な情報収集を行う必要があること、長時間の面接が難しい場合はアセスメントを数回に分けて行うなどの配慮が必要であること、利用者の希望ができるだけサービス提供に反映されるように、またアセスメント担当者の効率性も考慮して、利用意向についてはアセスメントと同時に行うことが適当であること、利用者のもつ障害の特性に応じて説明を工夫する必要があること等は明らかになった。
 研究2では、研修期間は、養成研修においては都道府県の負荷を考えると5日間が適当であること、研修カリキュラムの構造化が必要であること、相談支援体制における地域自立支援協議会の役割が重要になってくること等が明らかになった。
結論
障害者自立支援法におけるケアマネジメントの制度化に関して、市町村の相談支援体制の構築に向けて、相談支援マニュアルを提起し、同時に、相談支援事業の人材確保及び資質の向上の仕組みとして5日間の相談支援専門員養成研修カリキュラムと3日間の現任研修カリキュラムを提起した。今後、これらの研究成果が、ケアマネジメントの推進に寄与するか検証を行う必要がある。

公開日・更新日

公開日
2006-05-24
更新日
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