身体障害者の障害認定基準の最適化に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200500591A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者の障害認定基準の最適化に関する実証的研究
課題番号
H16-障害-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立身体障害者リハビリテーションセンター 更生訓練所)
研究分担者(所属機関)
  • 柳澤信夫(関東労災病院)
  • 伊藤利之(横浜市総合リハビリテーションセンター)
  • 寺島 彰(浦和大学 総合福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の障害認定制度は、実際のリハビリテーションやサービス提供の現場の状況と合致しない側面が出現し、医学的に妥当かつ横断的に整合性のとれた認定基準のあり方を示すことは緊急の課題である。 本研究は、被認定者の事例検討、被認定者の障害認定についての意識等の実証的データを踏まえ、医学的に妥当かつ横断的に整合性のとれた認定基準の考え方をまとめる。同時に、適切な運用のため障害者関連情報を収集し、認定マニュアルの作成や再認定システムのあり方の考察を行うことを目的としている。
研究方法
 障害認定の原則を検討するため、リハビリテーション等の観点からこれまでの認定基準の検討・実態・問題点を把握し、その改善策を検討した。都道府県の障害認定担当医師を対象に、現状とリハビリテーションの理念等についての意見調査、肢体不自由の専門医師のヒアリングを行った。また、文献調査によりリハビリテーション理念を把握し、海外の状況調査を実施した。
平成17年度は、肢体不自由および内部障害(心臓、呼吸器、腎臓)の身体障害者福祉法における障害認定の課題を整理し、脊髄損傷者の加齢的変化の現状と障害認定上の問題も整理した。さらに、関連する障害者制度での障害のとらえ方を調査し、今後の検討の資料とした。
結果と考察
 肢体不自由では、遷延性意識障害の認定基準、高齢者の認定方法、乳幼児と高次脳機能障害の認定時期、人工関節置換術等の認定の考え方、両下肢機能障害の認定基準などにおける課題が明らかとなった。心臓機能障害では、検査法、体内装具の取り扱いなどについて、呼吸器機能障害では検査法の再検討、腎臓機能障害では、血清クレアチニン濃度を中心とした認定基準の改訂、慢性透析療法対象者に認定などの課題が明らかになった。脊髄損傷者の加齢変化の現状から、急性期治療から回復期、維持期、終末期を一貫したデータベースの構築が必要である。
  関連する障害者各種制度における理念は、障害者の(生活)自立促進、安定した生活の保障、権利保障、便宜提供、社会防衛などに整理された。
結論
肢体不自由および内部障害(心臓、呼吸器、腎臓)の身体障害者福祉法における障害認定の課題、脊髄損傷者の加齢的変化の現状と障害認定上の問題について整理した、関連する障害者制度において、どのように障害をとらえているのかについても調査し、理念的整理を行った。

公開日・更新日

公開日
2006-04-17
更新日
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