文献情報
文献番号
200500583A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科病棟における患者像と医療内容に関する研究
課題番号
H16-障害-018
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
保坂 隆(東海大学医学部基盤診療学系)
研究分担者(所属機関)
- 平田豊明(千葉県精神科医療センター)
- 安西信雄(国立精神神経センター・精神保健研究所)
- 伊藤順一郎(国立精神神経センター・精神保健研究所)
- 岸 泰宏(埼玉医科総合医療センター神経精神科)
- 白石弘巳(東洋大学 ライフデザイン学部)
- 徳永雄一郎(不知火病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,平成16年9月に発表された精神保健福祉改革ビジョンで指摘されている厚生労働科学研究である。本年度は,①急性期,②社会復帰リハビリテーション(Ⅰ)(Ⅱ) ,③合併症,④認知症治療病棟,⑤ストレスケア病棟,のように新たに分類して検討した。
研究方法
急性期病棟では,本年度は調査時点で全国に17施設あった精神科救急病棟中回答があった14施設での実態調査をした。
社会復帰リハビリテーション(Ⅰ)(Ⅱ)では施設基準を提案し,その設置可能性について,4名の民間精神科病院院長に聞き取り調査を行った。
合併症病棟では,実際のケースを精神科入院基本料3,一般病床,精神科急性期治療病棟,精神科救急入院料病棟に入院したと想定して,入院費用を検討した。
ストレスケア病棟では全国13の施設に対してアンケート調査を行い,認知症治療病棟では全国の認知症治療病棟に質問紙調査を実施し,計20施設の389名の患者に関して回答が得られた。
社会復帰リハビリテーション(Ⅰ)(Ⅱ)では施設基準を提案し,その設置可能性について,4名の民間精神科病院院長に聞き取り調査を行った。
合併症病棟では,実際のケースを精神科入院基本料3,一般病床,精神科急性期治療病棟,精神科救急入院料病棟に入院したと想定して,入院費用を検討した。
ストレスケア病棟では全国13の施設に対してアンケート調査を行い,認知症治療病棟では全国の認知症治療病棟に質問紙調査を実施し,計20施設の389名の患者に関して回答が得られた。
結果と考察
精神科救急病棟の平均病床数は46.9床で,ここに4.8人の専任医師と27.9人の看護師などを配して,2004年度は,年間386.3人の入院患者を平均42.6日で治療し,59.1%を自宅退院としていた。入院収入の平均単価は29,662円で,人件費では国公立病院が民間病院を16.7%上回っていた。
社会復帰リハビリテーション病棟の概念には共感できるが,スタッフの関係から大病院以外では病棟として分化できないため,病棟よりユニット単位の方が受け入れやすいという意見であった。
合併症医療では入院初期では,一般病床出来高が最も高く次いで精神科救急入院料であった。これらを参考にした包括点数が合併症ユニットには必要だと思われた。
新規入院患者は60%を越え,平均在院日数は60日以下であった。気分障害が約60%を占めた閉鎖病棟への転棟の割合は6.7%と低く,自殺完遂数は0.2%と非常に少なかった。ストレスケア病棟は急性期病棟をモデルとして,気分障害・自殺企図後の患者の病棟として位置づけることは,時代の要請に合致するし現実性もあると思われた。
社会復帰リハビリテーション病棟の概念には共感できるが,スタッフの関係から大病院以外では病棟として分化できないため,病棟よりユニット単位の方が受け入れやすいという意見であった。
合併症医療では入院初期では,一般病床出来高が最も高く次いで精神科救急入院料であった。これらを参考にした包括点数が合併症ユニットには必要だと思われた。
新規入院患者は60%を越え,平均在院日数は60日以下であった。気分障害が約60%を占めた閉鎖病棟への転棟の割合は6.7%と低く,自殺完遂数は0.2%と非常に少なかった。ストレスケア病棟は急性期病棟をモデルとして,気分障害・自殺企図後の患者の病棟として位置づけることは,時代の要請に合致するし現実性もあると思われた。
結論
精神科救急病棟は現行あるいは点数を高くしてもそのニーズは高く,社会復帰リハビリテーション(Ⅰ)(Ⅱ)と合併症病棟は,病棟単位よりもユニットが望ましいと思われた。またストレスケア病棟は病棟単位でも十分に機能するし,うつ病や自殺企図後の病棟としての意義は期待できると思われた。
公開日・更新日
公開日
2006-04-25
更新日
-