文献情報
文献番号
200501410A
報告書区分
総括
研究課題名
メタボリックシンドロームにおけるアディポサイトカイン異常を標的とした心血管合併治療・予防法の確立
課題番号
H17-チーム(生活心筋)-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 浩二(国立病院機構 京都医療センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,498,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
食生活の欧米化から、腹部肥満を基盤に耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常といった複数の危険因子が重複する病態「メタボリックシンドローム」は、我が国でも急増している。インスリン治療を必要とする前段階の、耐糖能障害/軽症糖尿病を有する肥満患者における心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)発症のリスクは高く、これら患者におけるインスリン抵抗性改善法ならびに心血管合併症予防法を確立することは極めて重要である。海外で心血管疾患イベント抑制のエビデンスのあるスタチン系薬剤やアンジオテンシン拮抗薬(ARB)が日本でも使われている。しかしながら、スタチン系薬剤とARBの組み合わせによる効果、インスリン抵抗性患者における初期病変に対する効果、そしてスタチン系薬剤やARBのインスリン抵抗性そのものに対する影響に関するデーターなどは皆無である。そこで、「肥満・耐糖能障害患者の薬物療法による心血管合併症予防に関する臨床研究」を計画した。
研究方法
登録期間は15ヶ月間で国立病院機構京都医療センターが中心となり、多施設で600名以上の登録を目標とする。「水溶性又は脂溶性スタチン」及び「ARB又はCa拮抗薬」の組み合わせで4群に無作為に割付け、投薬1年後及び3年後に血管病変、心機能、腎機能、インスリン抵抗性の評価を行う。本研究では、血管病変に対してスタチン系薬剤にARBの付加的価値、スタチン系薬剤及びARBの初期腎病変や心拡張障害に対する効果、ならびにこれら薬剤のインスリン抵抗性そのものに対する影響に注目する。
結果と考察
本臨床研究を施行するため平成16年度から詳細なプロトコールの検討を行うと同時に、国立病院機構の施設を中心に全国的ネットワークを形成し準備を進めてきた。京都医療センターにおいては平成17年6月にプロトコールが倫理委員会に承認された。また全国の各施設においても平成18年3月の時点で25施設において倫理委員会の承認を受け、全国で登録を開始している。このように臨床研究を実施する体制が整い、今後、登録症例を積み重ねて行く。
結論
本邦におけるメタボリックシンドロームにおける薬物療法による心血管疾患予防効果に関するエビデンスを集積することにより、今後、生活習慣病を有する患者により効果的な治療プログラムが提供でき、心血管イベントなどの合併症の予防に貢献できうるものと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
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