文献情報
文献番号
200500573A
報告書区分
総括
研究課題名
各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果の総合的検討(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H16-チム(生活心筋)-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
井口 昭久(名古屋大学大学院医学系研究科老年科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,412,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本邦においては糖尿病罹患者が増加しており,高脂血症合併例の増加及び心血管合併症のリスクとしての大きさが注目されている。加齢そのものによっても高脂血症患者の頻度は増大する。糖尿病性心血管病変は耐糖能異常の段階から進行し,長期罹患者が増加している。糖尿病患者の死因としては心血管合併症によるものが最も多く予防法確立が急務である。一方、糖尿病合併高脂血症の治療効果は血糖降下療法を凌駕する可能性も欧米の大規模臨床試験で報告され、日本動脈硬化学会は糖尿病罹患者は血清LDL-Cholesterolの管理目標値をB3以上 120 mg/dl以下としている。さらに米国では100mg/dl以下と推奨している。各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果と作用機序を検討する。
研究方法
主任研究者として、代謝内分泌学,循環器学,老年学,臨床薬理学専門医14名,12施設,40関連病院からなる研究班を結成した。2)17年3月末までに自立している糖尿病患者(4014名),耐糖能異常者(306名),正常群(1112名),計5432名を登録した。3) 事務局として全登録患者を集計し、nested case control cohort試験として,虚血性心疾患発症,死亡/同入院,CVD,ASO発症総死亡をエンドポイントに検討した。
結果と考察
初年度イベント発症率は部分集計(糖尿病2748例)では2.1%で,従来の高脂血症単独が対象の本邦の研究成績より高率であった。 4)また、そのうち名古屋大学にて糖尿病患者215例、名古屋地区関連病院で糖尿病426例を登録し、上記研究に主体的に参加した。初年度イベント発症率は、名古屋大学にて脳血管障害1.4%、虚血性心疾患2.8%、その他0.5%と高率であり、登録者が高齢(平均74歳、ADLは自立)である事が関与していると推測された。関連病院では、各々0.2%、0.9%。0.7%で有った(平均年齢63歳)
結論
現在, 第3年度研究総括に向け,研究を継続し、I)(本邦又は欧米の)血清脂質管理値達成によるイベント予防効果,II)高脂血症病態(メタボリック症候群,閉経等)による差異,III)脳血管障害への効果,IV)新規高脂血症薬の安全性と多面的作用、V)医療経済効果を検討している。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
-