各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果の総合的検討(臨床研究実施チームの整備)

文献情報

文献番号
200500571A
報告書区分
総括
研究課題名
各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果の総合的検討(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H16-チム(生活心筋)-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
服部 良之(獨協医科大学内分泌代謝内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,068,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 全国12ケ所の共同研究施設の一つとして糖尿病罹患患者285人の登録を行い、スタチン投与群、フィブラート投与群、およびコントロール群に分類して、2年目の評価を行ってゆく。評価項目は虚血性心血管病(心、脳血管障害、ASO)の発症、入院、インターベンションとする。
研究方法
 登録を行なった糖尿病患者285例を対象として、抗高脂血症薬スタチン群、フィブラート群およびコントロール群(非投与群:ただし血清LDLコレステロール140mg/ml以下とする)とし、虚血性心血管障害(心、脳血管、障害、ASO)、入院期間、インターベンションの有無等を評価してゆく。試験期間中は一般所見、脂質分析、血管内皮機能、炎症所見、インスリン抵抗性、動脈硬化所見の経過を見てゆく。特にPWV、ABI、頸動脈エコー、および血中アディポネクチン(totalおよび高分子adiponectin)の測定をできるだけ多くの症例で行ない、治療歴との関係を分析し、評価してゆく。
結果と考察
 285名の登録を行い、スタチン群、フィブラート群およびコントロール群に分類し、それらの患者の一般所見、脂質分析に加え、動脈硬化所見の経過を見ている。現時点では心血管病の発症は認められていない。
 我々はpioglitazone (Actos)非投与群60名、Actos投与群15名でtotal adiponectinおよび 高分子(HMW)adiponectinを測定した。両群ともに、Actos以外は、抗糖尿病薬、抗高脂血症薬、降圧薬は制限なく服用している。Total adiponectin血中濃度はActos非投与群では約9 μg/ml 、Actos投与群では約18 μg/mlとおよそ2倍であった。HMW adiponectinはその差がさらに大きかった。そして、HMW adiponectin のtotal adiponectinに対する割合では、Actos非投与群で平均60%が、Actos投与群では平均90%がHMWであった。すなわち、Actosはadiponectinを増加させ、しかもHMW adiponectinの割合を増大させた。
結論
 高脂血症を有する糖尿病患者の虚血性心血管病(心、脳血管障害、ASO)の発症を評価し、それに与える抗高脂血症薬の効果をスタチン群、フィブラート群およびコントロール群に分けて、検討を続けてゆく。

公開日・更新日

公開日
2006-04-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-