厚生労働省多目的コホート班との共同による糖尿病実態及び発症要因の研究(臨床研究実施チームの整備)

文献情報

文献番号
200500570A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働省多目的コホート班との共同による糖尿病実態及び発症要因の研究(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H17-チム(生活心筋)-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
17,140,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、「厚生労働省多目的コホート班との共同による糖尿病実態及び発症要因の研究」(以下、コホート研究)の研究支援およびその応用的臨床研究を行うものである。糖尿病は心筋梗塞・脳卒中のリスク増大を介して日本人の健康寿命を短縮する最大の原因のひとつであり、その増大するリスクおよび医療費を抑制することは急務である。本研究は、厚生労働省研究班による多目的コホート研究によって得られたデータから、糖尿病発症・進展において重要な役割を担っている生活習慣を網羅的・体系的に解析するとともに、重要と考えられる生活習慣については個別に臨床試験を立ち上げその意義を明らかにすることを目的とする。

研究方法
1) 1998-2000年度および2003-05年度(5年後)に、約24000名の対象者に対して質問紙及びHbA1cの測定により糖尿病有病率、発症率を把握する。さらにこれらを用い、前向きコホート研究、断面研究のデザインにより生活習慣等との関係を分析する。
2) 糖尿病を曝露要因として、虚血性心疾患、脳卒中、癌等への危険因子としての役割をコホート研究班の疾患登録システムから得られた罹患データを用いて前向きコホート研究にて検討する。
3) コホート研究データとの包括的解析を行い、生活習慣等と糖尿病発症との関係を明らかにする。またこれまでの研究成果などから得られた知見を実証する臨床研究を予定する。
結果と考察
コホート研究班対象の健診受診者による糖尿病調査(ベースライン調査;対象者約2万5千人)の結果、糖尿病有病率を51-70歳では男性13-15%、女性6-9%と確定した。
5年後調査を全国10箇所で実施、終了し、現在データを収集・解析中である。
生活習慣等と糖尿病発症との関係に関しては、喫煙が男女ともに糖尿病のリスクを上昇させ、1合/日以上の飲酒がとくに痩せ型(BMI 22以下)の男性において2型糖尿病と正相関した。さらに、コーヒー摂取はコーヒー非摂取者に比し、その後の糖尿病発症が男女ともに有意に低かった。
結論
コホート研究班対象の健診受診者による糖尿病調査にて糖尿病有病率を決定した。縦断的な前向きコホート研究にて糖尿病発症率および虚血性心疾患、脳卒中、癌等への危険因子としての糖尿病の役割を検討している。糖尿病発症させる生活習慣リスクに関しては、男女ともに喫煙が正の、コーヒー摂取が負の相関を示し、飲酒は痩せ型の男性において2型糖尿病と正相関した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-