心血管疾患のハイリスク患者スクリーニングのための新たな診断システムの構築とその臨床応用(臨床研究実施チームの整備)

文献情報

文献番号
200500566A
報告書区分
総括
研究課題名
心血管疾患のハイリスク患者スクリーニングのための新たな診断システムの構築とその臨床応用(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H17-チム(生活心筋)-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
北 徹(京都大学大学院医学研究科循環器内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
メタボリックシンドローム(MS)は心血管イベント発症リスクが増加する疾患として注目を集めている。しかし、我が国における頻度や運動療法等による血清脂質値の改善効果など、不明な点が多く、早急に解明しなければならない。本研究班では、食事療法や運動療法により種々のMS関連指標がどのように改善するかを明らかにすることを目的としている。
研究方法
本研究計画「MS患者に対する運動療法、食事療法による介入により危険因子をいかに減らせるか」は、2006年1月京都大学医の倫理委員会の承認を得た。本研究では、京都、東京、千葉、筑波、大阪、山口、福岡、鹿児島の8地域における主要医療機関、検診センター及び滋賀における既存のコホートの協力を得て、多施設共同で総計2,000例の症例を登録し、食事療法、運動療法を指導する。登録症例には、登録時、6ヶ月後、1年後に、ウエスト周囲径、身長、体重、血圧等を測定し、血清脂質プロフィールを測定する。さらに、可溶型LOX-1、アディポネクチン値等を測定する。そして、食事量、運動量と、種々のMS関連因子の値の関係(変化率)を明らかにする。多数の症例を対象とした多施設共同研究であり、質の高い臨床研究を行うため、本臨床研究実施チームは、その専門分野等より、本研究の円滑な運営、およびデータ解析等に支援、協力を行う。
結果と考察
本年度は、主要研究のプロトコールを構築し、準備を完成させた。指導教官、荒井は、厚生科研費による研究である、西暦2000年の日本人の血清脂質調査の結果をMSの観点よりまとめた。指導教官、久米は、見出した酸化LDL受容体LOX-1の可溶型血清濃度が急性冠症候群で上昇していることを報告した。本MSに関する研究でも、血清可溶型LOX-1濃度を測定し、解析していく。指導教官、堀内は、抗血小板薬服用中の心血管ハイリスク患者を解析し、BMIが腹囲によく相関し、特に男性では相関係数0.86であることを見出した。指導教官、木村、若手医師、小笹等は心臓病患者に対し、運動療法を積極的に施行している。我が国のMS患者に対し、食事、運動療法の有効性に関するデータはこれまでのところほとんどない。研究プロトコールに則り、我が国のMS患者の治療法に対し、有意義な知見を示したい。
結論
MSを対象とし、食事療法や運動療法の効果を判定する研究の準備は整った。本研究を実施し、食事療法、運動療法を基盤にした日本人MS治療法に関して基本指針を提供する。

公開日・更新日

公開日
2006-04-21
更新日
-