文献情報
文献番号
200500565A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病性腎症の寛解を目指したチーム医療による集約的治療(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H16-チム(生活心筋)-015
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
槇野 博史(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究 【脳卒中・生活習慣病臨床研究】若手医師・協力者活用に要する研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
糖尿病性腎症は、1998年以降は慢性透析療法導入の原因疾患の第1位となっている。透析療法後の糖尿病患者の予後は極めて不良であり、透析導入後の5年生存率は約50%である。従って、糖尿病性腎症の発症・進展を予防することは、国民衛生と医療経済における危急の課題である。本研究では、糖尿病性腎症患者を対象に、医師と糖尿病療養指導士を中心とするコメディカルスタッフが参加するチーム医療により強力で厳格な治療介入(集約的治療)を行うことにより、腎症の進行を阻止し、さらに寛解させる治療法を確立することを目的とする。
研究方法
全国の多施設(目標70施設)において、顕性腎症例600名を対象として、血清クレチニン値正常群(プロトコールA)と血清クレアチニン高値群(プロトコールB)の2群に分け、それぞれ集約的治療群と従来療法群に無作為に割り付ける。プロトコールAでは、主要評価項目を尿中蛋白排泄量とし、網膜症・神経障害の進行を副次評価項目とする。プロトコールBでは、血清クレアチニン値の2倍化、透析療法への導入(腎死)および死亡を1次エンドポイント、心血管イベントの発生、網膜症・神経障害の進行を2次エンドポイントとする。両プロトコールともに、前向き臨床試験で、総観察期間は5年間を予定している。
結果と考察
日本糖尿病学会、日本腎臓学会、糖尿病性腎症合同委員会を通して研究協力施設の公募を行い、岡山大学医学部歯学部附属病院治験審査委員会と岡山大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会および各施設の倫理委員会の承認を受けて、症例の登録を開始した。現在までに128施設の参加を得て、60症例が観察期間に入っている。
結論
本研究によって、腎症の進展を防止し、さらに寛解させるための集約的治療法と、そのための臨床マーカーを確立することにより、糖尿病患者の予後の改善と医療費削減に大きな効果が期待でる。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
-