生体指標を用いた日本人におけるミネラルの適正摂取量(AI)・許容上限摂取量(UL)の算定に関する栄養疫学的研究

文献情報

文献番号
200500555A
報告書区分
総括
研究課題名
生体指標を用いた日本人におけるミネラルの適正摂取量(AI)・許容上限摂取量(UL)の算定に関する栄養疫学的研究
課題番号
H16-循環器(生習)-017
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 上西 一弘(女子栄養大学栄養生理学研究室)
  • 武林 亨(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,910,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミネラルの適正摂取量(目安量:AI)と許容上限摂取量(上限量:UL)を算定するための栄養疫学的研究として、本年度(2年目)は、多施設共同型のふたつの調査、すなわち、若年女性(18?20歳程度)約4000人を対象とした、食習慣を中心とした生活習慣に関する詳細な質問票調査(第二次栄養関連学科新入生調査、通称:新入生調査)、および若年女性(18?22歳程度)約500人を対象とした、食習慣を中心とした生活習慣に関する詳細な質問票に加えて採血と24時間蓄尿といった生体指標を含んだ調査(栄養関連学科女子学生の栄養と健康に関する多施設共同型観察疫学研究、通称:詳細調査)を実施した。
研究方法
本年度に実施した各個解析は次のとおりである。(1)新入生調査における食事摂取量の粗集計。(2)食物繊維、水、およびマグネシウム摂取量と機能性便秘の関連(新入生調査)。(3)食品摂取量と機能性便秘の関連(新入生調査)。(4)食事にかかる費用と食品・栄養素摂取量およびbody mass index(BMI)との関連(新入生調査)。(5)食物繊維摂取量およびglycemic index(GI)とBMIとの関連(新入生調査)。(6)起床時刻と食品・栄養素摂取量との関連(新入生調査)。(7)エネルギー摂取量の申告の正確性と食品の摂取頻度および1回摂取量との関連(新入生調査)。(8)詳細調査の粗集計。
結果と考察
新入生調査のデータ(研究1)から、マグネシウムが便秘に予防的に作用する可能性が示唆された(研究2)。また、ミネラルを含む栄養素摂取量が、食事にかかる費用や起床時刻と関連している可能性が示唆された(それぞれ研究4および6)。さらに、質の高い調査研究が実施できた結果として、ミネラルではないが、健康への影響が注目されている、食物繊維(研究2および5)、水(研究2)、GI(研究5)や個々の食品(研究3)と健康との関連に関する知見や食事調査方法に関する基礎的資料(研究7)が得られた。これらは次回の食事摂取基準の策定に際して有用な科学的知見となると考えられる。また、詳細な解析にはいたっていないものの、400人以上の採血および24時間蓄尿のサンプルが得られた(研究8)。
結論
本年度に実施した質の高い栄養疫学調査のデータを用いたさらなる解析を行っていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-11-05
更新日
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