厚生労働省多目的コホート班との共同による糖尿病実態及び発症要因の研究

文献情報

文献番号
200500552A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働省多目的コホート班との共同による糖尿病実態及び発症要因の研究
課題番号
H16-循環器(生習)-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
門脇 孝(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻 糖尿病・代謝内科)
研究分担者(所属機関)
  • 野田光彦(国立国際医療センター内分泌代謝内科、臨床検査部)
  • 井上真奈美(国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防検診部)
  • 大橋靖雄(東京大学大学院医学系研究科 生物統計学)
  • 上島弘嗣(滋賀医科大学福祉保健医学講座)
  • 小久保喜弘(国立循環器病センター循環器予防検診部)
  • 佐藤眞一(大阪府立健康科学センター健康度測定部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
26,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
糖尿病は、網膜症・腎症・神経障害という3大合併症のほかに、心筋梗塞や脳卒中という重大な合併症すなわち大血管障害をもたらす。本研究では糖尿病の実態を、コホート調査により、糖尿病発症と生活習慣との関係や、循環器疾患、脳卒中や発癌に対するリスクとしての視点から分析する。さらに、糖尿病の発症率を明らかにすることを目的とする。
研究方法
「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」班(主任研究者 津金昌一郎 国立がんセンター 予防研究部長)の維持するコホートにおいて、平成10-12年度にベースライン調査、追跡調査を5年後(平成15-17年度)に行った。この調査は糖尿病に関する質問票及びHbA1c測定、そして血糖値の測定から構成される。また、運動習慣に関する質問票の妥当性研究を行い解析した。この調査は同一の質問票による調査を2度にわたって実施することにより、質問票の再現性について検討するもので、質問票から計算したエネルギー消費量を24時間行動記録および運動加速度計で算出したエネルギー消費量と比較した。対象地域として東京都葛飾区(20人)、沖縄県宮古保健所地区(38人)、長野県佐久保健所地区(30人)、新潟県柏崎保健所地区(22人)を選択し、各個人について計2回調査した。
結果と考察
平成15年度は沖縄県宮古、高知県中央東、茨城県水戸(岩瀬町)(計約8,500人)、平成16年度は茨城県水戸(友部)、新潟県柏崎(計約3,500人)について調査を終えたが、本年度は長野県佐久、岩手県二戸、秋田県横手、沖縄県中部(旧石川) 、長崎県上五島地域の計約15,100人の調査を実施した。これら5年目追跡調査参加者につき、今後データベースを整備し、糖尿病の発症率などを算出する予定である。
運動習慣に関する妥当性の解析結果からは、質問票の再現性はよいことや、質問票によるTotal Energy Expenditure (kcal/day)と「運動加速度計」によるそれとが有意に相関すること、質問票によるEnergy Expenditure (METs/day)と「24時間行動記録」によるそれとが有意に相関すること、などの知見を得ている。
結論
糖尿病に関するベースライン調査および追跡調査を今年度で終了し、今後詳細に解析する予定である。また運動習慣に関する質問票の妥当性を支持する知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2007-11-05
更新日
-