文献情報
文献番号
200500549A
報告書区分
総括
研究課題名
内シャント狭窄治療を目的としたナノセラミックス複合化ステントグラフトの開発
課題番号
H16-循環器(生習)-015
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
古薗 勉(国立循環器病センター研究所 生体工学部)
研究分担者(所属機関)
- 宮武 邦夫(国立病院機構大阪南医療センター)
- 田中 良一(国立循環器病センター 放射線診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
32,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
長期透析を良好に継続するためには自己血管内シャントの開存維持が不可欠である。これまでシャント不全に対して様々な治療法が試みられているが、再狭窄・再閉塞を来す症例が多い。当該研究課題は、内シャント不全の治療に用いるステントグラフト表面にナノスケールのアパタイトを結合させた新規なステントグラフトの開発を目的とする。
研究方法
アパタイトナノコーティング法の精密制御:ナノアパタイトと基材との相互作用について、水晶振動子マイクロバランス法および原子間力顕微鏡を用いて検討を行った。
アパタイトナノコーティングステントの創出:ステント基材へのアパタイトナノコーティングを試み、その細胞接着性について血管内皮細胞を用いたin vitro試験を行った。
ナノアパタイトを薬物担体とするDrug-Eluting Stentの創出:アパタイトナノコーティングステント表面に担持させた薬物を治癒期間においてのみ放出させ、放出後にアパタイト表面に内皮細胞が被覆することで再狭窄防止を可能とする新しいステントの開発を試みた。
アパタイトナノコーティンググラフトの埋植試験:交雑犬の両頚動脈にアパタイトナノコーティンググラフトと未処理グラフトを置換し、組織切片観察による評価を行った。
アパタイトナノコーティングステントの創出:ステント基材へのアパタイトナノコーティングを試み、その細胞接着性について血管内皮細胞を用いたin vitro試験を行った。
ナノアパタイトを薬物担体とするDrug-Eluting Stentの創出:アパタイトナノコーティングステント表面に担持させた薬物を治癒期間においてのみ放出させ、放出後にアパタイト表面に内皮細胞が被覆することで再狭窄防止を可能とする新しいステントの開発を試みた。
アパタイトナノコーティンググラフトの埋植試験:交雑犬の両頚動脈にアパタイトナノコーティンググラフトと未処理グラフトを置換し、組織切片観察による評価を行った。
結果と考察
当該研究課題で用いるアパタイトセラミックスは生体親和性が高く、良好な接着性タンパク質の吸着および細胞の単層接着が実現できる。このため、グラフト内部へのナノセラミックスコートによって、短期間で血管内皮細胞が被覆され、長期血管開存の発現が可能であると考えられる。さらに、ステントへのアパタイトコーティングによりDDSシステムを付加することで、内膜増殖抑制物質を担持させた再狭窄防止システムが構築可能となる。
結論
本年度では、アパタイトナノコーティングの精密制御、アパタイトナノコーティングステントの創出およびその Drug Eluting 機能の付与について検討を行った。さらにin vivo試験により、ナノアパタイトをコーティング人工血管は未処理グラフトと比較して、より成熟した血管平滑筋細胞が観察され、さらに、血管内皮細胞が早期に伸展していることが確認できた。
平成18年度では、これまでに開発を行ってきたアパタイトナノコーティンググラフトおよびステントを組み合わせた新規ステントグラフトを創出し、その in vivo 効能試験を通して長期維持可能な自己血管内シャントを開発する。
平成18年度では、これまでに開発を行ってきたアパタイトナノコーティンググラフトおよびステントを組み合わせた新規ステントグラフトを創出し、その in vivo 効能試験を通して長期維持可能な自己血管内シャントを開発する。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
-