文献情報
文献番号
200500546A
報告書区分
総括
研究課題名
食後血糖上昇の抑制による心筋梗塞二次予防に関する大規模薬剤介入臨床研究
課題番号
H16-循環器(生習)-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
北風 政史(国立循環器病センター 臨床研究開発部)
研究分担者(所属機関)
- 友池 仁暢(国立循環器病センター)
- 中谷 敏(国立循環器病センター)
- 山岸 正和(金沢大学大学院 医学研究科)
- 金 智隆(国立循環器病センター)
- 吉政 康直(国立循環器病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
血糖の上昇は酸化ストレスを引き起こすことが知られており、食後高血糖のみがすでに大血管障害のリスクとなり、心筋梗塞の発症リスクを高めることがわかっている(Donahue RP, et al. Diabetes 36: 689-692,1987)。そこで心筋梗塞後の症例に対して、αグルコシダーゼ阻害薬により食後の血糖上昇を抑えることが、心筋梗塞二次予防につながると考え我々は本研究を立案した。当該患者数が相当数にのぼる治療法は、当然のことながら検討段階から安全な薬剤の使用が必須である。われわれが考慮しているαグルコシダーゼ阻害薬は、血中には原則取り込まれず、消化管にとどまり糖分の吸収を抑える薬剤であるため、幅広い患者層への適用が可能であると考えられる。
研究方法
血糖値の上昇は酸化ストレスを引き起こすことが知られており、食後の高血糖のみがすでに大血管障害のリスクとなり、心筋梗塞の発症リスクを高めることが報告されている(Donahue RP, et al. Diabetes 36: 689-692,1987)。そこで心筋梗塞後患者の食後の血糖上昇を抑えることが、心筋梗塞二次予防につながると考え、我々は本研究を立案した。本研究は急性心筋梗塞で入院した症例に対してαグルコシダーゼ阻害薬を投与し、その心血管イベントの抑制効果の有無を全国100施設と共同した多施設大規模臨床試験にて検討する。
当該研究期間3年の研究計画
1年目 研究体制の整備、症例エントリーの開始、動物実験による検討
2年目 症例のエントリー、エントリーされた症例の観察、動物実験による検討
3年目 エントリーされた症例の観察、データ解析
当該研究期間3年の研究計画
1年目 研究体制の整備、症例エントリーの開始、動物実験による検討
2年目 症例のエントリー、エントリーされた症例の観察、動物実験による検討
3年目 エントリーされた症例の観察、データ解析
結果と考察
平成17年度は、参加施設にて倫理委員会を通過を得て、目標症例数を目指しエントリーを開始した。また、マウスTACモデルおよび慢性非虚血性心不全症例においてボグリボースが心不全を改善することが示唆された。このことから一過性高血糖は心不全の増悪因子であり、αグルコシダーゼ阻害剤には心筋保護効果があると考えられた。
結論
研究計画に基づく研究実施計画を参加施設と共同で策定すると共に、インターネット登録用のホームページの立ち上げを行い予定通りエントリーが開始された。大規模臨床研究と平行して実験動物モデルでも心筋保護における糖代謝の重要性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
-