複数の動脈硬化性疾患危険因子を有する対象におけるアスピリンの一次予防効果に関する研究

文献情報

文献番号
200500544A
報告書区分
総括
研究課題名
複数の動脈硬化性疾患危険因子を有する対象におけるアスピリンの一次予防効果に関する研究
課題番号
H16-循環器(生習)-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
池田 康夫(慶應義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 内山真一郎(慶應義塾大学医学部)
  • 島田和幸(自治医科大学)
  • 寺本民生(帝京大学医学部)
  • 藤田敏郎(東京大学大学院医学系研究科)
  • 山田信博(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 山崎力(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
44,625,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年度厚生労働省人口動態によると、動脈硬化性疾患は我が国の全死亡原因の約30%を占め、一度発症すると後遺症が残ることも多く、再発のリスクが高く、患者やその家族のQOLを大きく低下させる。また、長期治療による高額な医療費、予後管理のための介護費が社会問題にもなっている。高齢化社会が急速に進んでいる日本において、これらの疾患は、治療のみならず予防法の確立の重要性が増している。本研究は、冠危険因子を複数有する対象において、低用量アスピリン投与のリスク/ベネフィットを評価・検証することを目的としている。
研究方法
(1)選択対象:高血圧、高脂血症または糖尿病患者(年齢60?85歳)(二次予防患者は除く)
(2)試験方法:多施設共同ランダム化割付(中央管理)オープン比較試験
(3)一次エンドポイント:複合エンドポイント(脳・心血管系要因による死亡・非致死性脳血管障害・非致死性心筋梗塞)
(4)登録数:10,000例、登録 1.5年、追跡 4年
結果と考察
平成17年3月から症例登録を開始し、試験事務局及びデータセンターの機能を充実させ、ホームページにおいて、広く脳梗塞・心筋梗塞の発症予防の重要性と本試験実施の意義について伝えた。各関連学会の学会誌を通じて参画施設募集を行うとともに、各学会の学術集会においても試験推進のための発表を行った。また、血栓止血学会市民公開講座においても本研究を紹介し、全国紙(読売新聞)およびCS放送を通じて、一般の方に対しても情報提供を行った。
 試験進捗状況は、データセンター・試験事務局より3カ月に1度の割合で、研究関係者に試験全体の進捗状況を報告し、情報の共有化を図っている。主任研究者と分担研究者は、患者指導箋を作成し、危険因子の管理の重要性について参画医を通じて参画患者への疾患治療啓発活動を継続して行っている。
 平成18年3月31日時点において、627施設が参画登録を完了し、約2,786例が登録されている。
 また、プロトコールの登録を米国ClinicalTrials.govに対して行った(Identifier: NCT00225849)。
結論
来年度中に、10,000例の症例登録をめざして試験の遂行に注力するとともに、有害事象の発症頻度にも注意を払いながら、一般臨床医ならびに患者への疾患予防の啓発活動も合わせて行っていく。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
-