文献情報
文献番号
200500538A
報告書区分
総括
研究課題名
急性心不全とその関連疾患に対するより効果的かつ効率的な治療等の確立に関する臨床研究-院外心停止者の救命率向上に対する自動体外式除細動器を用いた心肺蘇生法の普及とエビデンス確立のためウツタイン様式を用いた大規模臨床研究-
課題番号
H16-心筋-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
野々木 宏(国立循環器病センター心臓血管内科)
研究分担者(所属機関)
- 向仲 真蔵(大阪府立千里救命救急センター)
- 森田 大(大阪府三島救命救急センター)
- 平出 敦(京都大学大学院 医学研究科 附属医学教育推進センター)
- 佐藤 俊哉(京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療統計学)
- 永井 洋士(財団法人 先端医療振興財団 臨床研究情報センター)
- 菊地 研(独協医科大学 心血管・肺内科)
- 長尾 建(駿河台日本大学 救急医学)
- 田中 悟(独立行政法人国立病院機構 函館病院 麻酔科)
- 荻野 均(国立循環器病センター 心臓血管外科)
- 高本 眞一(東京大学医学部 心臓外科)
- 大北 裕(神戸大学医学部 呼吸循環器外科)
- 松田 均(国立循環器病センター 心臓血管外科)
- 角地 祐幸(国立循環器病センター 心臓血管内科)
- 佐瀬 一洋(順天堂大学大学院医学研究科 臨床薬理学)
- 田中 秀治(国士舘大学大学院 救急救命システムコース)
- 安田 聡(東北大学医学部 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【心筋梗塞・脳卒中臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
60,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、院外心停止例の全例登録システムおよびデータ管理システムを構築し、心肺蘇生法(CPR)と自動体外式除細動器(AED)の普及とその教育システムの開発、致死的不整脈に対する薬物治療法の確立、ITを利用した新しい救急システムの開発、大動脈疾患救急システム構築を行い、その効果を客観的に評価するとともに、根拠に基づュ医療として日本人の特性に応じた、より効果的な保健医療技術の確立を目指すものである。
研究方法
本年度は、ウツタイン方式による院外心停止例の過去6年間の全データを解析し、今後の各介入試験の効果検証における基礎データの確立を行い、登録を継続する。また致死的不整脈に対するⅢ群薬のニフェカラント前向き登録試験、心肺蘇生法とAED教育システムの導入による普及活動、モバイルテレメディシンの実用化を行う。更に大動脈疾患による院外心停止の発症頻度と疾患内訳を明らかにし、救命対策の検討を行う。
結果と考察
1.ウツタイン登録システムとデータ解析システムの構築:本年度は、構築した解析システムを用いて大阪府で6年間に登録された30000例を越える院外心停止症例の蘇生に関するデータの解析を実施した。
2.致死的不整脈に対する薬物治療法の確立
治療抵抗性心室細動に対するニフェカラント前向き登録試験を開始した。
3.心停止症例の救命率改善に向けた介入効果の検証として市民のAED・救命の連鎖に関する認知を高めるためのキャンペーンの効果の検討、院内心停止登録方法の確立とIT化や心肺蘇生法教育及びアンケート調査を行った。
4.救急医療におけるモバイルテレメディシンの導入:無線LAN技術と高速IPハンドオーバ技術を融合した高速大容量伝送システムを活用したモバイルテレメディシンシステムを検討した。
5.大動脈疾患による院外心停止の:大動脈疾患による院外心停止症例の解析を行い救命対策への基礎データ構築を行った。
2.致死的不整脈に対する薬物治療法の確立
治療抵抗性心室細動に対するニフェカラント前向き登録試験を開始した。
3.心停止症例の救命率改善に向けた介入効果の検証として市民のAED・救命の連鎖に関する認知を高めるためのキャンペーンの効果の検討、院内心停止登録方法の確立とIT化や心肺蘇生法教育及びアンケート調査を行った。
4.救急医療におけるモバイルテレメディシンの導入:無線LAN技術と高速IPハンドオーバ技術を融合した高速大容量伝送システムを活用したモバイルテレメディシンシステムを検討した。
5.大動脈疾患による院外心停止の:大動脈疾患による院外心停止症例の解析を行い救命対策への基礎データ構築を行った。
結論
本研究で構築したシステムは、国際標準のウツタイン様式を用いた疫学研究として世界最大規模のものであり、これまでに蓄積されたデータとあわせ、世界の救急医療の発展に資するエビデンスを得ることができるものである。更に、AEDや心肺蘇生法の教育の成果としての医療従事者、非医療従事者のネットワークを活用し、救急医療でのIT活用、大血管疾患による死亡率の軽減と合わせて、国民の保健・医療・福祉の向上が期待される。
公開日・更新日
公開日
2006-04-12
更新日
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