若年者骨髄性造血器腫瘍を対象とした骨髄破壊的前処置と骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植の比較検討(第Ⅲ相ランダム化非盲検比較試験)(臨床研究チームの整備)

文献情報

文献番号
200500531A
報告書区分
総括
研究課題名
若年者骨髄性造血器腫瘍を対象とした骨髄破壊的前処置と骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植の比較検討(第Ⅲ相ランダム化非盲検比較試験)(臨床研究チームの整備)
課題番号
H16-チム(がん)-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山下 卓也(東京都立駒込病院 血液内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
11,254,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植(ミニ移植)が,骨髄破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植(フル移植)に匹敵する治療法であることを示すことである.ミニ移植はフル移植に比して,治療関連毒性が軽減されることから,移植関連合併症の頻度が低下する可能性が示唆されている.一方,ミニ移植がフル移植に比して,移植後再発の頻度やGVHDの発症頻度が大きくなるかどうかは未だ明らかではなく,最終的な治療成績の優劣も未だ不明である.この点を明らかにすることは,今後,ミニ移植という新たな治療法を開発していくために必要であると考えられる.
研究方法
フル移植とミニ移植の治療成績を前方視的に検討する.また,フル移植とミニ移植の移植前後でのQOL評価を行い,患者への負担をより軽減させる治療法の開発につなげると同時に移植医療の領域でのQOL評価尺度の確立を目指す.
結果と考察
当該臨床研究のQOL調査研究プロトコールにおいては,他の悪性腫瘍領域にて使用されている評価尺度を参考にして,造血幹細胞衣装領域におけるQOLの評価尺度の開発と,それらを用いたQOLの調査を実施する.本研究によって,これらの評価尺度の有用性や信頼性も検証できると考えられる.本研究のパイロットスタディーによれば,これらの評価尺度を用いたQOL調査は,移植前後のベッドサイドにおいても実施可能であることが示されている.こうした評価尺度の開発は,今後の造血幹細胞移植領域における臨床研究の展開にとって有用であると考えられた.
結論
骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植は,従来の同種移植に比して,移植後の患者のQOLが保たれるという印象があり,これを客観的に評価することによって,骨髄非破壊的前処置を用いた同種末梢血幹細胞移植の有用性を明らかにしうる.また,当科においては,本臨床研究プロトコールの対象となる造血幹細胞移植を多数実施しており,臨床研究実施チームの整備はこれらの移植臨床の質の向上につながり,本研究の推進のみならず,日常臨床においても,患者に適切かつ良質な移植医療を提供することができ,ひいては,我が国の医療福祉への貢献にもつながると考えられる.

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-01-19
更新日
-