先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究(臨床研究実施チームの整備)

文献情報

文献番号
200500526A
報告書区分
総括
研究課題名
先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H16-チム(がん)-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平岡 真寛(京都大学医学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
24,938,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 肺癌患者の診察、検査、放射線治療、化学療法、そして治療終了後の経過観察までを一貫して行うための臨床研究チーム作りを目的とし、種々の臨床試験の実施を最終目標とする
研究方法
 具体的な臨床チームの作業として以下の4種類の臨床研究を行った。まず、JCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線照射を用いた多施設共同臨床試験」に対する症例集積、次に「局所進行型肺非小細胞肺癌に対する化学放射線放射併用療法の多施設間治療成績の比較調査研究(アウトカムスタディー)」の解析、そしてRTOG0239に準拠した「限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法」のプロトコール作成、最後にKCOG(関西臨床腫瘍研究会) T-0401「局所進行非小細胞肺癌に対するweekly Paclitaxel /Carboplatin併用療法による化学療法/放射線同時併用療法と逐次化学療法の検討(臨床第I/II相試験)」の症例集積である。
結果と考察
 まず、JCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線照射を用いた多施設共同臨床試験」では当該施設は本研究の研究事務局として全症例のデータレビューをおこなっている。既に全国より70症例が集まっているが、本年度までに当該施設よりは5症例の登録を行った。 次に局所進行型肺非小細胞肺癌に対する化学放射線放射併用療法の多施設間治療成績の比較調査研究」の症例データ収集では、関連施設を含めてすでに300例以上を集積し、解析結果を報告予定である。 そして、RTOG0239に準拠した「限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法」のプロトコール作成では、昨年よりJMTOの協力を得てプロトコールを作成中である。 またKCOG(関西臨床腫瘍研究会) T-0401「局所進行非小細胞肺癌に対するweekly Paclitaxel /Carboplatin 併用療法による化学療法/放射線同時併用療法と逐次化学療法の検討(臨床第I/II相試験)」についてはIRBの承認を得て現在症例を集積中で、すでに6症例を登録した。  以上のように現在までに院内で形成した(1)プロトコール作成チーム、(2)化学療法実施チーム、(3)臨床データ管理チーム、(4)患者追跡調査チーム、が緊密な連携をとりながら、複数の臨床研究の運営をめざしている。
結論
 現在までに院内で肺癌治療に関連した臨床研究を一貫して行うための呼吸器内科と放射線科との臨床研究チームを作成した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200500526B
報告書区分
総合
研究課題名
先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究(臨床研究実施チームの整備)
課題番号
H16-チム(がん)-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平岡 真寛(京都大学医学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 肺癌患者の診察、検査、放射線治療、化学療法、そして治療終了後の経過観察までを一貫して行うための臨床研究チームを作成し、種々の臨床試験を遂行する。
研究方法
 2年間の研究での具体的な臨床チームの作業として以下の4種類の臨床研究を遂行した。
1.JCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線照射を用いた多施設共同臨床試験」に対する症例集積
2.局所進行型肺非小細胞肺癌に対する化学放射線放射併用療法の多施設間治療成績の比較調査研究(アウトカムスタディー)」の解析
3.RTOG0239に準拠した「限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法」のプロトコール作成
4.KCOG(関西臨床腫瘍研究会) T-0401「局所進行非小細胞肺癌に対するweekly Paclitaxel /Carboplatin併用療法による化学療法/放射線同時併用療法と逐次化学療法の検討(臨床第I/II相試験)」の症例集積
結果と考察
 JCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線照射を用いた多施設共同臨床試験」では当該施設は5症例の登録を行った上で、本研究の研究事務局として全70症例のデータレビューをおこなった。局所進行型肺非小細胞肺癌に対する化学放射線放射併用療法の多施設間治療成績の比較調査研究」の症例データ収集では300例以上を集積し、化学放射線療法および手術療法の有効性を解析した。「限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法」のプロトコール作成では、昨年よりJMTOの協力を得てRTOG0239に準拠したプロトコールを作成中である。KCOG(関西臨床腫瘍研究会) T-0401「局所進行非小細胞肺癌に対するweekly Paclitaxel /Carboplatin 併用療法による化学療法/放射線同時併用療法と逐次化学療法の検討(臨床第I/II相試験)」についてはIRBの承認を得て現在症例を集積中で、すでに6症例を登録した。 
 以上のように現在までに院内で肺癌臨床研究のための(1)プロトコール作成チーム、(2)化学療法実施チーム、(3)臨床データ管理チーム、(4)患者追跡調査チーム、を形成し、各チームが緊密な連携をとりながら、複数の臨床研究の運営を行っている。
結論
 肺癌治療に関連した臨床研究を一貫して行うための呼吸器内科と放射線科との臨床研究チームを作成した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500526C

成果

専門的・学術的観点からの成果
JCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する定位放射線照射を用いた多施設共同臨床試験」は、本邦で最初の高精度放射線治療に関連する多施設共同試験である。現在までに各施設間のターゲット設定誤差、治療計画による線量設定誤差について解析を行った。本研究はわが国が世界をリードする領域であり、その実現の意義は高い。可能な限り早期に臨床試験の症例登録を完了し、この治療法の有用性についての解析が待たれる。
臨床的観点からの成果
現在までに欧米では、腫瘍内科医と放射線腫瘍医との密接なるチーム医療体制が確立しており、そのため種々の化学療法と放射線療法とを併用した臨床試験がスムーズに行われてきた。しかしわが国においては、チーム医療が未だ確立しているとは言い難い。本研究によって肺癌患者の診察、検査、放射線治療、化学療法、そして治療終了後の経過観察までを一貫して行う臨床研究チームを形成することができた。今後は、種々の臨床試験を遂行してゆく。
ガイドライン等の開発
本研究においては、RTOG0239に準拠した「限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法」のプロトコール作成を行った。従来より国内では小細胞癌に対して加速多分割線量増加試験は前例がなく、米国RTOGの主任研究者と緊密な連携をとりながら臨床試験を開始する予定である。現在までにJMTOおよびJROSGの協力を得てプロトコールおよび症例登録用紙の翻訳版を作成した。
その他行政的観点からの成果
現在全国的に、入院診療から外来診療への移行が求められている。本研究において外来化学療法における、救急時の対応や後方支援病院との地域連携を行ったことは行政的観点からの成果といえよう。
その他のインパクト
RTOG0239に準拠した限局期小細胞肺癌に対する加速多分割照射法を用いた化学放射線療法については、日米で同一の治療を行って、治療効果と合併症、遺伝子多型も含めた解析を行う予定である。
KCOG(関西臨床腫瘍研究会) T-0401「局所進行非小細胞肺癌に対するweekly Paclitaxel /Carboplatin併用療法による化学療法/放射線同時併用療法においても同様に、奏効率と有害事象の日米比較を行う。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Nagata Y, et al.
Clinical outcomes of a Phase I/II study of 48Gy of stereotactic body radiation therapy in 4 fractions for primary lung cancer using a stereotactic body frame.
Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. , 63 (5) , 1427-1431  (2005)
原著論文2
Takayama K, Nagata Y, et al.
Treatment planning of steraotactic radiotherapy for lung cancer.
Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. , 61 (5) , 1565-1571  (2005)
原著論文3
Aoki, T., Y. Nagata, Y. Negoro,et al.
Evaluation of lung injury after three-dimensional conformal stereotactic radiation therapy for solitary lung tumors: CT appearance.
Radiology , 230 (1) , 101-108  (2004)

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-