早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200500525A
報告書区分
総括
研究課題名
早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-がん臨床-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
武藤 学(国立がんセンター東病院 外来部/臨床開発センターがん治療開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科)
  • 高橋 寛(癌研究会有明病院健診センター)
  • 田辺 聡(北里大学東病院消化器内科)
  • 西崎 朗(兵庫県立成人病センター消化器科)
  • 門馬 久美子(東京都立駒込病院内視鏡科)
  • 田村 孝雄(神戸大学大学院医学系研究科応用分子医学講座消化器代謝病学分野)
  • 二瓶 圭二(国立がんセンター東病院臨床開発センター粒子線医学開発部)
  • 伊藤 芳紀(国立がんセンター中央病院放射線治療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
24,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治がんのひとつとされる食道癌が内視鏡診断技術の進歩によって早期の段階で発見されるようになり、より低侵襲で根治性の高い治療法の開発が求められるようになってきた。本研究では、これまで外科手術が標準治療であった粘膜下層浸潤食道がんに対し、低侵襲治療として内視鏡的粘膜切除 (Endoscopic mucosal resection : EMR)を施行した後に、3次元照射による精度の高い放射線照射に加え総線量を減らした化学放射線療法を追加する新しい治療戦略の安全性と有効性を評価することを目的とする。
研究方法
Japan Clinical Oncology Group(JCOG)参加施設で実施されている食道がんに対する内視鏡的粘膜切除術ならびに放射線照射の現状を調査し、診断と治療法の品質管理を行った。
結果と考察
参加施設における食道がんの内視鏡診断、治療法選択基準のばらつきをなくし、診断・治療の品質管理を行う基礎を作った。また、放射線治療に関する意見をまとめ、放射線治療に関する品質管理の基礎を作った。その結果、局所制御に関しては原発巣のreductionを図るために内視鏡的粘膜切除術を拡大適応することのコンセンサスが得られ、晩期毒性の軽減および適切な照射線量および照射野の精度向上のためにCTシミュレーターを用いた3次元照射を行う放射線照射を新たに導入した。総線量を原発巣の遺残がない場合は41.4Gy(1回1.8Gy x 23回)、ある場合でも50.4Gy(1回1.8Gy x 28回)とすることで晩期毒性の軽減も目指す。参加施設の内視鏡治療医・化学療法施行医・放射線治療医の意見をまとめ、研究実施計画書に反映させ、JCOGプロトコール審査委員会へ提出した。早期消化管がんに対する内視鏡治療が諸外国より普及しているわが国において、その有用性と安全性を科学的に評価する多施設共同前向き臨床試験はこれまで実施されてこなかった。加えて、本研究では、内視鏡治療、化学療法、放射線療法と多岐にわたる治療モダリティーを組み合わせて、それぞれのメリットを生かして低侵襲かつ根治性の高い治療を実現させることを目指している。この新しい挑戦を実施するにあたり、質の高い臨床試験を行うことが必要であり、本研究に参加するすべての研究者の理解と合意が重要である。
結論
これまで外科手術が標準治療であった粘膜下層に浸潤する食道がんに対し、内視鏡的粘膜切除後に化学放射線療法を追加する新しい治療戦略に関する多施設共同臨床試験の研究実施計画書を作成することができた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
-