大腿義足膝継手の適応幅に関する研究

文献情報

文献番号
199700048A
報告書区分
総括
研究課題名
大腿義足膝継手の適応幅に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
東江 由起夫(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、義足歩行速度に影響を与えている大腿義足膝継手の遊脚相制御機構に着目し、義足歩行時における個々の膝継手のもつ適応範囲(適応幅)を明らかにするものである。そして「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準」-完成用部品等の指定基準-(身体障害者福祉法)に採用されている膝継手の中から、個々の切断者の歩行能力に適した膝継手の選択を容易にする大腿義足膝継手選択・処方支援マニュアルを作成することを目的とする。
研究方法
「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準」-完成用部品等の指定基準-に採用されている大腿義足膝継手に関して、膝継手の選択・処方支援マニュアルに必要な情報を収集し、膝継手情報データベースと大腿義足膝継手便覧を作成する。また個々の膝継手の適応範囲を調べるため、膝継手の追従性(膝継手の振り出しが健側の振り出しと対称的に行われている状態)を客観的に判断する条件を明らかにする。方法は膝継手の遊脚相制御機構の中から代表的な膝継手を3種類選び、追従性を判断するために必要なデータ(時間因子、距離因子など)を予備実験にて計測し分析を行う。これらの結果から個々の膝継手の適応範囲を調べ、大腿義足膝継手選択・処方支援マニュアルを完成させる。
結果と考察
「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準」-完成用部品等の指定基準-採用されている12社、120個の膝継手に関して、カタログやマニュアル、文献等の資料を収集し、膝継手情報データベースを作成した。これに膝継手の処方に必要と思われる情報を臨床に携わっている義肢装具士の意見を参考に追加し、膝継手選択・処方支援マニュアルの前段階である大腿義足膝継手便覧を作成した。予備実験から、膝継手の追従性を判断するための条件の一つを明らかにすることができたが、膝継手全体としての条件を設定することは現時点では困難であった。そのため個々の膝継手の適応範囲を計測し、明確化することは今後の課題とした。
結論
「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準」-完成用部品等の指定基準-に採用されている膝継手について、膝継手情報データベースを作成し、これをもとに大腿義足膝継手便覧を完成させた。また個々の膝継手の適応範囲を調べ、最終的な目標である大腿義足膝継手選択・処方支援マニュアルを完成するまでには至らなかったが、膝継手の追従性を判断するための条件の一つを明らかにすることができた。 

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)