文献情報
文献番号
200500499A
報告書区分
総括
研究課題名
高度進行胃がんの治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-028
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
笹子 三津留(国立がんセンター中央病院第一領域外来部)
研究分担者(所属機関)
- 荒井 邦佳(東京都立駒込病院外科)
- 小西 孝司(富山県立中央病院外科)
- 小林 理(神奈川県立がんセンター外科)
- 清水 武昭(新潟県厚生連長岡中央綜合病院外科)
- 高金 明典(岩手医科大学附属病院外科)
- 種村 廣巳(岐阜市民病院外科)
- 梨本 篤(新潟県立がんセンター新潟病院外科)
- 二宮 基樹(広島市立広島市民病院外科)
- 福島 紀雅(山形県立中央病院外科)
- 古河 洋(堺市立堺病院外科)
- 宮下 薫(独立行政法人労働者健康福祉機構燕労災病院外科)
- 宮代 勲(大阪府立成人病センター消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
予後不良であるスキルス胃がん及びこれとほぼ同等の予後を示す大型3型胃がんの予後改善を目的とする。
研究方法
治療法:ステージングのための腹腔鏡検査を受けて、腹膜播種を含めて遠隔転移がないことを確認された症例を対象に、術前TS-1+シスプラチン療法2コース後にD2以上の郭清を伴う根治手術を行う試験治療を評価する。腹腔鏡も含めて診断が確定した時点で、JCOGデータセンターで無作為に割り付け、手術単独群では、術前・術後を含めて補助療法なして経過を観察し、治療群では前記化学療法2コース後に手術を行う。
(倫理面への配慮)
本研究はJCOG臨床試験審査委員会及び参加各施設の倫理審査委員会により審査・承認されて実施されている。被験者には文書と口頭による充分な説明を行い、自由意志に基づいた文書による同意を取得する。
(倫理面への配慮)
本研究はJCOG臨床試験審査委員会及び参加各施設の倫理審査委員会により審査・承認されて実施されている。被験者には文書と口頭による充分な説明を行い、自由意志に基づいた文書による同意を取得する。
結果と考察
結果
昨年度に得られた第Ⅱ相試験の良好な結果を受けて、本年度は第Ⅲ相試験のプロトコールが完成し、3回の審査のやりとり、及びそれに基づいた修正を経て平成17年9月にJCOG臨床試験審査委員会でプロトコールは承認された。その後、各参加予定施設の倫理審査委員会で審議され、10月以降順次承認され、現在29施設で登録可能となっている。しかし、実際には、現在までに8例が登録されるに留まっており、予定より低い登録集積であり、登録の鼓舞が不可欠である。また、現在までのところ、急送報告の対象となる有害事象は経験されていない。
考察
ようやく倫理審査終了施設が揃ってきた段階であるが、登録ペースが悪い。対象群の予後が不良で手術単独をコントロールする試験に参加をいやがる患者が居ること、腹腔鏡検査時に腹腔内洗浄細胞診陽性や腹膜播種陽性例が相当数有り登録対象から外れること、これらが登録数が伸びない理由と考えられる。後者についてはやむを得ないが、前者は患者への説得に最大限の努力をし、症例集積を進めていく。
昨年度に得られた第Ⅱ相試験の良好な結果を受けて、本年度は第Ⅲ相試験のプロトコールが完成し、3回の審査のやりとり、及びそれに基づいた修正を経て平成17年9月にJCOG臨床試験審査委員会でプロトコールは承認された。その後、各参加予定施設の倫理審査委員会で審議され、10月以降順次承認され、現在29施設で登録可能となっている。しかし、実際には、現在までに8例が登録されるに留まっており、予定より低い登録集積であり、登録の鼓舞が不可欠である。また、現在までのところ、急送報告の対象となる有害事象は経験されていない。
考察
ようやく倫理審査終了施設が揃ってきた段階であるが、登録ペースが悪い。対象群の予後が不良で手術単独をコントロールする試験に参加をいやがる患者が居ること、腹腔鏡検査時に腹腔内洗浄細胞診陽性や腹膜播種陽性例が相当数有り登録対象から外れること、これらが登録数が伸びない理由と考えられる。後者についてはやむを得ないが、前者は患者への説得に最大限の努力をし、症例集積を進めていく。
結論
TS-1+CDDP療法は安全性と治療効果に優れ、遠隔転移のない予後不良進行胃がん症例に対する新しい治療法となりうる。
公開日・更新日
公開日
2006-05-26
更新日
-