がん患者の心のケア及び医療相談等のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200500496A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者の心のケア及び医療相談等のあり方に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-025
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山口 建(静岡県立静岡がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 沢田 茂樹(独立行政法人国立病院機構)
  • 磯部 宏(独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター)
  • 柴  光年(国保直営総合病院君津中央病院)
  • 谷尾 吉郎(大阪府立急性期・総合医療センター)
  • 矢野 篤次郎(佐賀県立病院好生館)
  • 加治 正英(富山県立中央病院)
  • 望月 泉(岩手県立中央病院)
  • 江上 格(日本医科大学付属多摩永山病院)
  • 小切 匡史(市立岸和田市民病院)
  • 土屋 嘉昭(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 謝花 正信(松江市立病院)
  • 石田 裕二(静岡県立静岡がんセンター)
  • 光山 昌珠(北九州市立医療センター)
  • 原  信介(佐世保市立総合病院)
  • 堀越 泰雄(静岡県立こども病院)
  • 佐々木 常雄(東京都立駒込病院)
  • 永井 宏和(独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター)
  • 関口 勲(栃木県立がんセンター)
  • 菊地 惇(山形県立がん・生活習慣病センター)
  • 木村 秀幸(岡山済生会総合病院)
  • 矢花 正(山田赤十字病院)
  • 田中 克往(大阪府立成人病センター)
  • 大野 真司(独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター)
  • 長井 吉清(宮城県立がんセンター)
  • 細川 治(福井県立病院)
  • 塚越 俊夫(群馬県立がんセンター)
  • 渡辺 敏(千葉県がんセンター)
  • 坂井 隆(独立行政法人国立病院機構 三重中央医療センター)
  • 高田 由香(静岡県立静岡がんセンター)
  • 山下 浩介(神奈川県立がんセンター )
  • 須賀 昭彦(静岡県立総合病院)
  • 吉川 澄(大阪労災病院)
  • 田伏 克惇(独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター)
  • 金岡 俊雄(日本赤十字社和歌山医療センター)
  • 加藤 誠(成田赤十字病院)
  • 田中 方士(総合病院国保旭中央病院)
  • 高橋 郁雄(松山赤十字病院)
  • 野口 和典(大牟田市立総合病院)
  • 渡辺 洋一(総合病院岡山赤十字病院)
  • 井上 賢一(埼玉県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、がん患者らが求める心のケアや医療相談の質の向上を目指し、第一に、悩みや負担に関する分類方法を確立すること、第二に、具体的な対応方法を探ること、第三に、患者体験談を患者らに提供し、悩みの軽減に役立てること、第四に、がん患者支援システムの整備を進めることである。
研究方法
1)がん患者の悩みデータベースの構築
「がん体験者の悩みや負担などに関する実態調査」によって明らかにされた総計2万数千件の悩みや負担を、約9千件にまとめ、各々を短文化し、電子情報化することにより、「がん患者の悩みデータベース」を構築した。
2)がん患者の悩みや負担に関する「静岡分類」の確立
上記のデータベースを、静岡がんセンターで暫定的に用いられてきた「静岡分類」と比較し、その妥当性を確認した。
3)がんよろず相談Q&A集の作成
「実態調査報告書 概要版」と「がんよろず相談Q&A弟一集―医療費編・経済就労編」については、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語版を全国に配布した。Q&A集については、「肝細胞がん編」、「がんの治療と食事編」の作成を進めた。
4)医療相談の在り方
がんよろず相談、患者図書館、患者勉強会、患者家族支援研究部における研究活動に関し、地域がん診療拠点病院や患者会との情報交換の機会を持った。
結果と考察
がん患者は、様々な身体的、精神的、社会的な問題を抱えて日々を過ごすが、その内容は、個人差が大きく、科学的な分析の対象とすることは困難であった。今回、妥当性が確認された「静岡分類」により、この点の改善が図られる。
がん患者の悩みや負担への対応方法については、実態調査報告書とQ&A第一集について、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語への翻訳版を作成するとともに、「肝細胞がん編」、「がんの治療と食事編」の作成を進め、本研究のコンテンツの充実が図られた。
がん体験者、医療従事者、行政関係者との情報交換により、医療相談や心のケアには、情報提供、学習支援、対話を三位一体で実施することが必要であり、そのための各種のツールの開発が必要と考えられた。
結論
がん患者の悩みや負担に関する「静岡分類」の妥当性を確認し、具体的な対応方法として、がんよろず相談Q&A集の作成が進められた。さらに、医療相談や心のケアにおける情報提供・学習支援・対話の重要性が認識された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-21
更新日
-