その他、がんの実態把握とがん情報の発信に関する特に重要な研究

文献情報

文献番号
200500481A
報告書区分
総括
研究課題名
その他、がんの実態把握とがん情報の発信に関する特に重要な研究
課題番号
H16-3次がん-039
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
手島 昭樹(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 三木 恒治(京都府立医科大学大学院)
  • 日月 裕司(国立がんセンター中央病院 )
  • 笠松 高弘(国立がんセンター中央病院 )
  • 木下 貴之(国立がんセンター中央病院 )
  • 樋之津 史郎(筑波大学大学院 )
  • 光森 通英(京都大学大学院 医学研究科)
  • 宇野 隆(千葉大学大学院 医学研究院)
  • 中村 和正(九州大学医学部附属病院 )
  • 角 美奈子(国立がんセンター中央病院 )
  • 戸板 孝文(琉球大学医学部)
  • 権丈 雅浩(広島大学大学院 医歯薬総合研究科)
  • 小川 和彦(琉球大学医学部)
  • 鹿間 直人(信州大学医学部)
  • 大西 洋(山梨大学医学部)
  • 小口 正彦(癌研究会附属病院)
  • 立崎 英夫(放射線医学総合研究所)
  • 大野 ゆう子(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 原内 一(川崎医療短期大学)
  • 池田 恢(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん臨床現場で有用性の高い治療情報を充実させたJapanese National Cancer Database(JNCDB)を構築し、既存の臓器別がん登録との情報共有の技術開発と検証を行う。
研究方法
1)臓器別がん登録グループ、助成金山崎班との情報共有の技術開発を行い、feasibilityを検証する。
2)各臓器別がん登録実務担当者との議論を経てJNCDBプロトタイプを乳癌、前立腺癌、食道癌、子宮頸癌、肺癌について策定・開発する。阪大倫理委員会に申請、認可を得る。
3)臨床研究事業池田班、助成金山崎班、祖父江班との議論を経て役割分担を明確にする。
4)放射線治療計画情報の自動抽出の技術開発を行う。
5)病院情報システムからのがん情報抽出とがんDB装填を上記研究班と開発企業との合同班会議にて議論する。
結果と考察
1)ハッシュ化(一方向難読化:連結不可能匿名化)開発を行い、情報共有化実験を行った。同一症例と照合できた症例の共通調査項目間比較を行い、高い合致率を確認した。照合症例数はわが国の該当症例推定母数から各DBサンプリング母数より統計的に推定される症例数とほぼ一致。
2)画像DBを含めたWeb based DBとして完成、阪大倫理委員会で承認。データ入力を試験的に開始、feasibilityを検証。
3)院内情報システムにおける診療科DBの開発を行うことで合意。
4)膨大な治療情報をデジタル情報として蓄積されているので、画像データと文字・数値データを必要データのみ抽出し別々に自動格納されるシステムを開発。
5)開発企業はがん登録、診療科DBの共通項目統一化を望んでいる。一方、臨床の立場から既存の電子カルテの中にデータ入力の負荷を最小限にした診療科DBテンプレート装填することは事実上不可能であるとの強い懸念が明らかとなった。むしろ病院情報システムの中に診療科DBのサーバを共存させ、最小限の負荷で診療科DBへの入力と正確なカルテ記載を両立させる技術開発を検討し始めた。
各種がんDBは現在分散管理されているので各DBの強みを最大限引き出して効率的に運用するためには情報共有を促進することが最重要である。米国NCDBを参考に、わが国独自の臨床治療情報を重視した効率的で正確なJNCDBの構築と運用を目指す。
結論
JNCDBの構築と運用によりわが国のがん診療の真の実態が正確に把握され、医療現場の診療の質向上に具体的に寄与しうる。

公開日・更新日

公開日
2006-05-24
更新日
-