効果的ながん情報提供システムに関する研究

文献情報

文献番号
200500479A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的ながん情報提供システムに関する研究
課題番号
H16-3次がん-037
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立がんセンター中央病院放射線診断部)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 ベンジャミン光一(国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部)
  • 斉川 雅久(国立がんセンター東病院 外来部)
  • 松谷 司郎(東京大学大学院医学研究科)
  • 新海 哲(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部)
  • 加藤 抱一(国立がんセンター中央病院臨床検査部)
  • 山城 勝重(独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
75,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第3次対がん総合戦略の戦略目標の1つであるがん診療の「均てん化」を推進するために、効果的ながん提供システムの構築を目的とする。
研究方法
わが国の各学会等で作成されている診療ガイドラインについて、検索・解析を行った。また、乳がん切除のクリニカルパスを収集し、多施設合同で標準パスを策定した。さらに、診療支援システムのプロトタイプとして、頭頸科がんデータベース、カンファレンス支援システムを構築した。病院情報システムから抽出した情報を解析し、診断別・ステージ別等の診療プロセスを提示する診療プロセス解析システムのプロトタイプシステムを構築し試行解析を実施した。対話型がん情報提供システムのプロトタイプシステムとして、年齢、性別、がんの種類/状況等を入力して治療法の検索をおこない、検索結果として、治療法毎に、診療のプロセス等提示するシステムを構築した。病理医同士のコンサルテーションに対応する遠隔システムを構築し評価した。
結果と考察
平成18年4月時点で公開されているがん診療ガイドラインは、23であった。さらに普及するために、ポータルサイト、データベースを構築し、医療従事者に利用しやすい形で提供することが必要であると考える。
全国の医療施設で活用できる標準がん診療パスをデータベース化することは、診療の標準化に大きな貢献をすると考える。
病院情報システムに蓄積されている膨大ながん診療情報から、診断、検査、治療に関するデータを抽出し、診療現場から効率よく参照できるシステムを構築することによって、診療の場におけるdecision making を支援に活用できると考える。対話型がん情報提供システムを構築することで、一般国民に対し、最新のがん診療に関するデータを、利用者が求める治療方針・予後情報等の情報にピンポイントでアクセスすることが可能となり、治療法選択を支援することが期待される。
結論
効果的ながん提供システムの構築のために、がん診療ガイドライン・クリニカルパスは、がん診療の標準化のために必要不可な情報提供コンテンツとして、整備が必要であると考えられる。また、病院情報システムから診療情報を抽出・解析することで、診療支援に役立つ情報を産出し、これを対話型情報提供システムで提示することで、患者向けにわかりやすい情報提供ができると考える。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
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