がん生存(Cancer survivor)のQOL向上に有効な医療資源の構築研究

文献情報

文献番号
200500476A
報告書区分
総括
研究課題名
がん生存(Cancer survivor)のQOL向上に有効な医療資源の構築研究
課題番号
H16-3次がん-033
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山口 建(静岡県立静岡がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 浩介(神奈川県立がんセンター )
  • 小林国彦(埼玉医科大学 )
  • 辻哲也(慶応義塾大学 医学部)
  • 奥原秀盛(静岡県立大学 看護部)
  • 石川睦弓(静岡県立静岡がんセンター)
  • 吉田隆子(日本大学短期大学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 がん患者や生存者に必要な、地域の各種相談窓口や医療福祉サービスの項目を明確にした上で、静岡県をフィールドとして地域行政単位における整備状況を調査し、相談あるいは各種サービスについて、患者・家族への情報提供を容易にするワンストップ窓口化を目指す。また、これらの相談やサービスの質の向上を目指し、地域格差の是正、窓口担当者のための対応マニュアルや各種ツールの整備を進め、最終的には、全国の相談窓口、医療福祉サービスの質の向上を目指す手法を確立する。 
研究方法
 すでに実施された「がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査」及び静岡がんセンターで実施されている「がんよろず相談」の成果を参考に、全国の患者会、患者支援団体などの協力を得て、がん患者や生存者に必要な地域の各種相談窓口や医療福祉サービス、65項目を選択した。
 ついで、静岡県内のすべての市町を対象に、選択した項目に基づき作成された調査票への回答を求め、分析を加えた上で、全市町の医療福祉サービス担当者に対し聞き取り調査を実施し、理解不足や誤解に基づく回答についての修正を加え、調査を完了した。
結果と考察
 今回、対象とした相談窓口や医療福祉サービスは、主として、地域行政単位である市町の健康福祉担当部門が担っている。これらの部門では、自らが実施しているサービスについて、他の市町と比較する機会が乏しく、それが、地域格差を生む一因でもある。また、市町の規模によってインフラ整備に差があり、また、担当者の交代も多く、かなりの地域格差があることは否めない。そこで、地域格差是正のためには、相談窓口や医療福祉サービスの充実を図ることが必要と考えられた。
 今後、得られた情報についての分析を進め、当該行政単位で不足している相談窓口や各種サービスの代替案を検討し、ワンストップ窓口リストを完成させ、それを、行政単位、地域医療機関、民間を含む医療福祉サービスの担い手等に提供する。さらに、ワンストップ窓口運用マニュアルや各種ツールを作成し、担当者に提供することによって、相談業務の質の向上を目指していく。最終的には、これらの手法に基づく、全国的な相談、医療福祉サービスの質の向上が図られる。
結論
 がん患者や生存者に必要な地域の各種相談窓口や医療福祉サービスを明確にした上で、静岡県をフィールドに市町における整備状況を調査し、地域格差の実態把握に努めた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-24
更新日
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