独自開発した多因子による癌特異的増殖制御型アデノウイルスベクターによる革新的な癌遺伝子治療法の開発

文献情報

文献番号
200500472A
報告書区分
総括
研究課題名
独自開発した多因子による癌特異的増殖制御型アデノウイルスベクターによる革新的な癌遺伝子治療法の開発
課題番号
H16-3次がん-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小戝 健一郎(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学大学院整形外科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、我々が独自開発したm-CRA作製システムによりオリジナルm-CRAを作製(開発)し、そのm-CRA癌遺伝子治療の治療効果と有用性を科学的に検討し、この独自のm-CRAによる革新的な癌遺伝子治療法を世界に先駆け開発、確立することを最終目的とする。






研究方法
 本年度は、(1)初年度に開発した画期的なm-CRAであるSurvivin依存性m-CRA(Surv.m-CRA)を中核として、Tert.m-CRAでの最適m-CRA化の検討、Surv.m-CRAでの最適m-CRA化の検討、治療遺伝子搭載m-CRA(6因子)による癌治療効果増強の試みなど、さらなる最適のm-CRA化の研究によりその癌治療法の臨床応用への道筋をつけること、(2)ある新規機構の分子、網羅的遺伝子探索解析による全く新しい癌特異化因子など、さらなる新規分子による画期的なオリジナルm-CRAを開発すること、の2項目に重点を置き、それに沿って研究を進めた。
結果と考察
 本研究は、ベクターの作製技術という点から全てがオリジナルであり、本邦での癌治療法の開発と臨床応用が可能となる能力を備えている。2年目の本年度は、さらに基礎研究面で高いレベルの新規m-CRA開発なども進めている一方で、Tert.m-CRA、Surv.m-CRAのm-CRA化により、より治療効果が強く、そしてより安全なm-CRAの改良開発も着実に進めてきた。
 次年度は、最終年度であり、臨床応用化への道筋をつけることが重要となる。この点からこれまでのオリジナリティーの高い基礎研究を一層進めることはもちろんであるが、本年度までに開発し最適化できた4因子増殖制御のSurv.m-CRAを、臨床化という観点から動物での前臨床研究を強力に押し進める予定である。
結論
 本年度の成果は、1. 最適m-CRA化によるSurv.m-CRAの臨床化を一歩進めた、2. さらに発展的な新規m-CRA開発の基礎研究を進めている、3. 最終年度に主体となる前臨床研究の準備を進めてきた、というものである。このように、順調に成果を出し、着実に研究を進めているので、臨床化への道筋という最終目標を達成できると思われるし、次年度も誠意努力するものである。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-