文献情報
文献番号
200500448A
報告書区分
総括
研究課題名
低出生体重時の無呼吸発作に対するドキサプラムの安全性・有効性に関する研究(若手医師・協力者活用等に要する研究)
課題番号
H17-チム(小児)-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
北島 博之(大阪府立母子保健総合医療センター 新生児科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,173,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
低出生体重児の無呼吸発作に対し、ドキサプラムの有害事象を大きく軽減する方法としての低用量持続静脈内投与法を採用し、キサンチン製剤との安全性・有効性につき比較検討する。
研究方法
[試験デザイン]
多施設ランダム化比較試験
[対象]
1.選択基準 下記の条件をすべて満たすもの
(1) 原発性未熟児無呼吸発作のみられるもの
(2) 在胎期間22週0日以上32週未満で出生した児
(3) 参加の同意が得られている症例
[投与量および投与法]
1.ドキサプラム群
①負荷:1.5mg/kgを1時間かけて静脈内投与
②維持:負荷量終了後0.2mg/kg/hrの速度から開始し効果が十分でない場合には徐々に増量する。投与量は0.5mg/kg/hrを越えないこと。
2.アミノフィリン群
① 負荷:5mg/kgを1時間かけて静脈内投与
② 維持:2.5mg/kg/日12時間毎1日2回投与
[評価方法]
無呼吸発作の頻度の改善度
試験薬投与前8時間と投与後16-24、40-48、64-72、88-96、160-168時間の無呼吸発作の回数を比較する。
(判定)FR (full response): apnea の完全な消失
PR(partial response): apneaの50%以上の減少
F(failure): apneaの50%以下の減少
[目標症例数]
100例
多施設ランダム化比較試験
[対象]
1.選択基準 下記の条件をすべて満たすもの
(1) 原発性未熟児無呼吸発作のみられるもの
(2) 在胎期間22週0日以上32週未満で出生した児
(3) 参加の同意が得られている症例
[投与量および投与法]
1.ドキサプラム群
①負荷:1.5mg/kgを1時間かけて静脈内投与
②維持:負荷量終了後0.2mg/kg/hrの速度から開始し効果が十分でない場合には徐々に増量する。投与量は0.5mg/kg/hrを越えないこと。
2.アミノフィリン群
① 負荷:5mg/kgを1時間かけて静脈内投与
② 維持:2.5mg/kg/日12時間毎1日2回投与
[評価方法]
無呼吸発作の頻度の改善度
試験薬投与前8時間と投与後16-24、40-48、64-72、88-96、160-168時間の無呼吸発作の回数を比較する。
(判定)FR (full response): apnea の完全な消失
PR(partial response): apneaの50%以上の減少
F(failure): apneaの50%以下の減少
[目標症例数]
100例
結果と考察
試験参加予定施設で平成17年1月1日から3ヶ月間に入院した未熟児無呼吸発作と診断され治療を受けた症例を検討した。対象症例は58例で、ドキサプラムの投与例は19例、ドキサプラム単独の投与例は4例であった。またドキサプラム投与例の在胎期間は24-33週であり、同じく出生体重は489g-2235gであった。また他の分担研究者が検討した症例(27名)の血中濃度の検討では、従来から治療の有効域と考えられていた血中濃度(0.5-5.0mg/l)より低濃度で、また投与法の調査からも低投与量(維持量0.2mg/kg/h)で有効である事がわかった。以上より対象を22週以上32週未満と設定し、投与量として維持量0.2mg/kg/hで中毒域に達することなく投与できることが証明された。
結論
本研究がによりドキサプラムの有効性・安全性が証明されれば、1995年より新生児・未熟児に禁忌とされているにもかかわらず未熟児無呼吸発作の治療薬として現在も使用され続けている(おもな新生児医療施設の約60 %)ドキサプラムの未熟児無呼吸発作に対する治療が確立されることになる。
公開日・更新日
公開日
2006-04-10
更新日
-