小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究(若手医師・協力者活用等に要する研究)

文献情報

文献番号
200500447A
報告書区分
総括
研究課題名
小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究(若手医師・協力者活用等に要する研究)
課題番号
H17-チム(小児)-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 一誠(国立成育医療センター 腎臓科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
9,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、わが国の小児腎移植において、MMFの薬物動態、有効性・安全性を検討し、用法・用量を確立するとともに、本研究結果をわが国における本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料とすることを目的とする。また、本研究を通じて、小児腎移植領域での多施設臨床試験ネットワークの構築および体制整備を行うことも目的のひとつである。
研究方法
本年度は以下の研究を行った。
1)わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査
2)米国での承認データの評価
3)これらのデータを参考にして、わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための前方視的多施設臨床試験プロトコールの立案
臨床研究実施チームのメンバーは指導を受けながら上記のすべての作業に関与した。
結果と考察
わが国で小児腎移植は20歳未満では454例(91例/年)であり、米国(400-600例/年)と比較して非常に少ない。米国での承認用量に比較して、米国及びわが国での実際の使用量はその約2/3であった。
米国での承認データは、シングルアーム、オープンラベルで、3ヶ月から18歳の被験者100名に対して、1997年(平成9年)より実施され、結果を成人での比較研究のMMF投与群の結果と比較された。結果としては、有効性及びMPA薬物動態は小児と成人で同等、安全性に関しても成人と同様と報告された。
上記のデータを参考にして、多施設臨床試験プロトコールを立案した。米国での小児承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MMF薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。
結論
わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査と米国での承認データの評価の結果をふまえ、本年度はわが国における小児腎移植におけるMMF多施設臨床試験のプロトコールを立案した。今後、可及的速やかにプロトコールを確定し、本研究参加施設の倫理委員会及び治験審査委員会での審査を経て、臨床試験を実施する予定である。
 臨床研究実施チームの若手研究者及びに研究協力者は、今後も臨床試験実施、その後の解析、事後の問題点の把握までのすべての過程に関与しながら研修を行う予定であるが、当研究に参加することにより臨床試験全般のノウハウを修得し、今後の本邦における本領域の臨床試験実施のための貴重な人材となることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-