文献情報
文献番号
200500446A
報告書区分
総括
研究課題名
小児肉腫等に対する治療開発を意図した多施設共同臨床試験に関する研究
課題番号
H17-小児-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
牧本 敦(国立がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
- 麦島 秀雄(日本大学先端医学講座細胞再生・移植医学部門)
- 原 純一(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科)
- 横山 良平(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター)
- 森川 康英(慶應義塾大学医学部 小児外科)
- 角 美奈子(国立がんセンター中央病院 放射線治療部)
- 小原 明(東邦大学医療センター 大森病院輸血部)
- 秦 順一(国立成育医療センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
33,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
既に確立した臨床試験基盤の上に複数の臨床試験を効率的に運用、実践し、小児がんの治療開発を推進する事。
研究方法
異なる疾患を対象とした具体的な3つの臨床試験を実践し、全国多施設の臨床医のトレーニングを行うと共に集学的治療に係る有効性・安全性データを集積し治療評価を行う。1.進行性・転移性横紋筋肉腫に対する自家造血幹細胞救援療法を併用した大量化学療法の第II相試験(JRSG-HR03)。対象:18歳未満の高リスク横紋筋肉腫。目的:集学的治療法の有効性と安全性の評価。予定登録症例数:3年間で40例。主要評価項目:3年無増悪生存割合。2.限局性ユーイング肉腫ファミリー腫瘍に対する集学的治療法の第II相試験(JESS04)。対象:30歳未満の限局性ユーイング肉腫。目的:標準治療の妥当性評価。予定登録症例数:3年間で53例。主要評価項目:3年無増悪生存割合。3.小児急性リンパ性白血病に対する寛解導入療法と早期強化療法の有効性・安全性に関する検討試験(TCCSG L04-16)対象:1歳以上18歳未満の小児急性リンパ性白血病。目的:寛解導入療法と強化療法の有効性と安全性の評価。予定登録症例数:1.5年で全150例。主要評価項目:寛解患者割合。副次的目的:データ収集システムとしての電子CRFの妥当性の検討。
結果と考察
1.JRSG-HR03:予定登録患者数40症例のうち15症例の登録を完了。2.JESS04:予定登録患者数53症例のうち15症例の登録を完了。3.TCCSG L04-16:平成18年1月に予定登録患者数150症例を登録完了。本研究では、複数の臨床試験をこれまで作り上げた臨床試験基盤の上で実走させることによって、小児がん治療に携わる多くの医師が臨床試験に参加してEBMと治療開発について実践的に学習する事が可能となる。また各々の試験が持つ研究仮説の検証は新たな研究仮説を生むため、全体として臨床試験に関する動きを活性化し、小児がん分野における治療開発活動を質・量共に高めていく事につながる。さらに、信頼性の高い試験結果を還元する事によって厚生労働行政に貢献できると期待される。
結論
小児がんの臨床試験基盤の上に3つの臨床試験を実走し、2試験は現在進行中、1試験では合計150例の症例登録を終了した。
公開日・更新日
公開日
2006-04-10
更新日
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