文献情報
文献番号
200500440A
報告書区分
総括
研究課題名
小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究
課題番号
H17-小児-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 一誠(国立成育医療センター腎臓科)
研究分担者(所属機関)
- 本田 雅敬(東京都立八王子小児病院)
- 服部 元史(東京女子医科大学腎臓小児科)
- 渡井 至彦(北海道大学病院泌尿器科)
- 和田 尚弘(静岡県立こども病院腎臓内科)
- 木村 利美(東京女子医科大学病院薬剤部)
- 土田 尚(国立成育医療センター総合診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 小児疾患臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
26,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、わが国の小児腎移植において、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の薬物動態、有効性・安全性を検討し、用法・用量を確立するとともに、本研究結果をわが国における本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料とすることを目的とする。また、本研究を通じて、小児腎移植領域での多施設臨床試験ネットワークの構築および体制整備を行うことも目的のひとつである。
研究方法
本年度は以下の研究を行った。
1)わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査
2)米国での小児腎移植における承認データの評価
3)これらのデータを参考にして、わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための多施設臨床試験プロトコールの立案
1)わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査
2)米国での小児腎移植における承認データの評価
3)これらのデータを参考にして、わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための多施設臨床試験プロトコールの立案
結果と考察
わが国の小児腎移植は20歳未満では最近の5年間で454例(91例/年)であり、米国(400-600例/年)と比較して非常に少ない。また、米国での承認用量に比較して、米国及びわが国での実際のMMF使用量はその約2/3であり、MMFの適正な投与量を再検討する必要があると考えられた。
米国での小児腎移植における承認データは、シングルアーム、オープンラベルで、3ヶ月から18歳の被験者100名に対して、1997年(平成9年)より実施され、結果を成人での比較研究のMMF投与群の結果と比較された。結果としては、有効性及びMMF活性代謝産物(MPA)薬物動態は小児と成人で同等、安全性に関しても成人と同様と報告された。
上記のデータを参考にして、多施設臨床試験プロトコールを立案した。米国での小児承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MPA薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。
米国での小児腎移植における承認データは、シングルアーム、オープンラベルで、3ヶ月から18歳の被験者100名に対して、1997年(平成9年)より実施され、結果を成人での比較研究のMMF投与群の結果と比較された。結果としては、有効性及びMMF活性代謝産物(MPA)薬物動態は小児と成人で同等、安全性に関しても成人と同様と報告された。
上記のデータを参考にして、多施設臨床試験プロトコールを立案した。米国での小児承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MPA薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。
結論
わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査と米国での承認データの評価の結果をふまえ、本年度はわが国の小児腎移植におけるMMF多施設臨床試験プロトコールを立案した。今後、可及的速やかにプロトコールを確定し、本研究参加施設の倫理委員会及び治験審査委員会での審査を経て、臨床試験を実施する予定である。
公開日・更新日
公開日
2006-04-07
更新日
-