就学前の保育・教育を一体とした総合施設のサービスの質に関する研究

文献情報

文献番号
200500438A
報告書区分
総括
研究課題名
就学前の保育・教育を一体とした総合施設のサービスの質に関する研究
課題番号
H17-子ども-016
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
増田 まゆみ(目白大学人間福祉学科)
研究分担者(所属機関)
  • 石井 哲夫(白梅短期大学・社会福祉法人嬉泉)
  • 柴崎 正行(大妻女子大学 児童学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては、多様な機能を柔軟に実施していくことが求められる総合施設におけるサービスの質(教育・保育の質)の向上に資するため、総合施設における保育・教育内容の評価基準ガイドラインを策定することを目的とする。
研究方法
1.総合施設モデル事業実施園の全施設へのサービス、保育・教育の内容等その概要に関するアンケート調査による実態分析
2.総合施設モデル事業実施園の中から、運営主体、運営形態、定員規模、立地条件を考慮して、タイプの異なる10施設を抽出し、保育・教育内容の実態把握
3.先行実施されている保育所等福祉サービス第三者評価評価準や幼稚園の自己評価基準等を参考としながら、総合施設の評価基準ガイドライン案の策定
4.「評価基準」による評価の試行
(1)全モデル施設への自己評価及び項目に対する意見の収集(2)5施設への第二次訪問調査
5.教育・児童福祉界の学識経験者へのヒアリング
                      
結果と考察
総合施設の機能が円滑に実施で重要なことは①総合施設としての理念が職員全体に行き渡っていること②理念に基づく一貫した保育・教育の計画があり、職員に理解され、実際に機能すること③3歳未満児や長時間保育の充実④子どもの生活や主体的な活動が充実するための保育環境⑤積極的な子育て支援の展開⑥小学校との積極的な連携、が明確となった。次に、ガイドライン案に基づく全モデル事業実施施設の自己評価・意見収集と、5施設への訪問調査の結果①総合施設全体を組織的・調和的にマネジメントしていく運営体制をつくること②乳児から幼児までの一貫性のある総合的な保育課程を編成すること③各組織の職員間の円滑な連携を図る仕組みと研修や研究を合同で実施すること④地域の多様なニーズに応じられるよう組織を総合的にコーディネイトしていくこと、があげられた。これらの結果をふまえた上で、教育・児童福祉界の学識経験者へのヒアリングにより、総合施設が多様な機能を柔軟に実施していくために、幼稚園・保育園の文化の違いを相互に理解し、新たな就学前の保育・教育の方向性を導くことの必要性と、保育内容の質を評価できる基準とシステムの必要性についての意見が得られた。
結論
総合施設(認定こども園)の機能・役割をふまえた評価基準ガイドラインを示すことにより、総合施設の教育・保育内容が適切に評価・点検され、教育・保育内容の質の確保および向上に資するものとなりうる。本年度の研究結果を基に、次年度は自己評価を基盤とした評価基準による評価の試行と、評価基準理解のためのマニュアル作成に取り組む計画である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
-