新しい時代に即応した乳幼児健診のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200500433A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい時代に即応した乳幼児健診のあり方に関する研究
課題番号
H17-子ども-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
高野 陽(日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 中村敬(大正大学人間学部人間福祉学科)
  • 鉾之原昌(鹿児島大学理事室)
  • 吉田弘道(専修大学文学部)
  • 福本惠(京都府立医科大学医学部看護学科)
  • 堤ちはる(日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部)
  • 野口晴子(東洋英和女学院大学国際社会学部国際社会学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児健診は健康上の問題のみならず、虐待や育児不安等、養育上の問題を早期発見する機会として重要な役割を果たすサービスであり、今後この役割の重要性が増すことが考えられる。そのために現状の乳幼児健診の実態を評価し、子育て支援として時代の条件にそった新しい健診のあり方を検討し、その具体的方策を提示することを目的とする。
研究方法
全国の市区町村を対象に「乳幼児健診システムに関する全国調査」を実施した。平成17年度に合併等の移動のなかった市町村1651ヵ所に送付し、64%に相当する1061市町村より回答が得られた。これらを人口規模別及び市町村の行政区分別に分析を行った。各分担研究者の専門性を活かした個別研究も行った。
結果と考察
1.乳幼児健診システムに関する全国調査 
1)各期の健診における受診率は90%以上。2)未受診の把握方法は、電話が最も多い。未受診のなかで、被虐待児の認められた地域は22%に及び、未受診対策の重要性が認識できる。3)生後4ヶ月までの全出生児の把握には、訪問指導等によって各地で努力されている。4)健診の目標としては疾病異常の早期発見に加え、虐待防止や育児不安の軽減等の子育て支援に力を入れている地域が多い。5)心理面、親子関係、発達の問題に関するスクリーニングには関心が高い。6)栄養・食生活に関する指導は栄養士によって実施されている。7)軽度発達障害に関する健診は、5歳児健診で実施するようにその制度化を求める意見が多い。8)精度管理・受益者の意見聴取を実施している地域は少ない。
2.分担研究
1)医療機関における乳幼児個別健診の現状とあり方に関する研究
2)乳幼児健診における軽度発達障害児の支援を含む心の健康問題への対応
3)乳幼児健診と保育所の対応
4)子育て支援をめざした乳幼児健診のあり方
5)乳幼児の健康資本と乳幼児健診に対する需要の社会的・経済的決定因子に関する一考察
6)乳幼児健診における食育・栄養教育のあり方に関する研究
結論
全市町村を対象とした調査によって乳幼児健診の多様性が明確にされたとともに、心理関係のスクリーニングにおけるように人的及び質的な問題点も明らかになった。次年度においては、今年度回答のなかった地域と今年度対象としなかった地域を対象に全国的調査を実施するとともに、モデル的地域を抽出し、個別の聴き取り調査等による乳幼児健診に関する質的調査を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
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