子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200500430A
報告書区分
総括
研究課題名
子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方に関する研究
課題番号
H17-子ども-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
庄司 順一(恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 藤岡 孝志(日本社会事業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
児童虐待への対応は、児童をめぐる今日のさまざまな問題の中でもっとも重要な課題である。とくに、虐待を受けた児童を保護する場である児童福祉施設や里親(専門里親)のあり方と、虐待をうけた児童の援助、治療の方法の確立は緊急の課題ともいえる。そこで本研究では、専門家による2つの分担研究班を設け、(1)子どものライフステージにおける社会的養護サービスのあり方を検討するとともに、(2)被虐待児への援助として、愛着関係の形成という視点からの養育援助方法を構築するための検討を行った。
研究方法
 発達心理学、臨床心理学、児童福祉学、小児精神医学、建築学、小児栄養学などの領域の専門家からなる学際的な研究チームである2つの分担研究班を組織し、文献的研究、実践的研究、調査研究を行った。
結果と考察
 分担研究1では、①専門家の論考および文献研究により問題を整理するとともに、②主に施設における建物設備を含む居住環境、食生活にかかわる生活環境の実態調査、③里親養育の現状と専門里親制度を発展させるための課題について調査を行った。その結果、愛着測定法の開発の必要性、治療的援助の必要性が指摘されるとともに、養子縁組の積極的な推進とそのための法制度の整備が提言された。また、施設の小規模化に関しては、その意義はよく認識されており、実際に快適な食事環境が提供されていたが、小規模化の課題として職員配置や労働条件、担当職員へのサポートなどがあげられた。
 分担研究2では、虐待等により愛着形成に障害をおった子どもと、その養育支援を行う大人(施設職員、里親等)との間の関係形成をはかり、促進するためのプログラムの作成を目的として、施設職員、里親等を対象に養育上の困難などについてヒアリングを行うとともに文献的考察を行った。その結果にもとづいて試行的なプログラムを作成したが、このような援助プログラムへの養育者からのニーズは高いこと、心理療法的なプログラムだけでなく、コンサルテーションのレベルでのグループ・プログラムの効果や可能性も示唆された。
結論
 2つの分担研究をとおして、社会的養護サービス、すなわち施設あるいは里親での児童の養育における愛着の重要性と、治療的養育の必要性が指摘された。

公開日・更新日

公開日
2007-02-27
更新日
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