児童虐待等の子どもの被害、及び子どもの問題行動の予防・介入・ケアに関する研究

文献情報

文献番号
200500429A
報告書区分
総括
研究課題名
児童虐待等の子どもの被害、及び子どもの問題行動の予防・介入・ケアに関する研究
課題番号
H17-子ども-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 眞紀子(国立成育医療センターこころの診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 豊(相州メンタルクリニック中町診療所)
  • 安部 計彦(西南学院大学 人間科学部)
  • 小野 善郎(和歌山県 子ども・障害者相談センター)
  • 加賀美 尤祥(山梨県立大学 人間福祉学部)
  • 加藤 曜子(流通科学大学 児童家庭福祉学部)
  • 佐藤 拓代(東大阪市保健所)
  • 杉山 登志郎(あいち小児保健医療総合センター 心療科)
  • 田中 究(神戸大学大学院 医学系研究科 精神神経科学分野)
  • 田中 哲(東京都立梅ヶ丘病院 精神科)
  • 田中 康雄(北海道大学大学院 教育学研究科)
  • 冨田 拓(国立武蔵野学院 医務課)
  • 中板 育美(国立保健科学院 公衆衛生看護)
  • 西澤 哲(大阪大学大学院 人間科学研究科)
  • 萩原 總一郎(四天王寺国際仏教大学 人文社会学部)
  • 星野 崇啓(埼玉県立小児医療センター 精神科)
  • 前橋 信和(関西学院大学 社会福祉学科)
  • 松田 博雄(淑徳大学 総合福祉学部 社会福祉学科)
  • 宮本 信也(筑波大学 人間総合科学研究科 )
  • 渡邉 好恵(さいたま市保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年度の児童虐待防止法と児童福祉法の改正により、虐待の一次的対応は地域で、児童相談所は専門的対応と位置づけられた。しかし現場での対応は遅れており、国の施策の実施も進んでいない。一方、子どもの重大事件では不適切な養育と発達障害の重要性が示唆されているが、その機序は不明であり予防も進まない。子ども虐待に関して「切れ目のない支援」が実行されるためには多くの分野の研究が統合されて進まなければならない。本研究は、今回の法改正以後の制度・施策が有効に機能するための方法を確立し、予定される防止法の改正と虐待対応施策に資するエビデンスを提示することを目的とした。
研究方法
予防、特殊な虐待、在宅支援・ネットワーク、虐待を受けた子どもの治療法、分離ケア、加害や非行の予防・ケア、および基礎研究それぞれの分担研究チームを構成し、チーム内での情報交換を行いながら、介入効果判定を中心とした研究を行った。
結果と考察
各分担研究班で基礎的調査や介入方法や評価法の作成などが行われた。一部は効果判定まで行われた。切れ目のない支援のために統合された研究であることを目指し、コミュニケーションが行われた。個別には、早期乳児の親子講習会の効果、妊娠期両親教室の実態、SBS予防プログラムの比較、育児支援家庭訪問事業や親支援グループのあり方、が提示された。男子の性被害や子ども間の性加害・被害の実態把握と介入が開始され、司法面接の基礎ができた。医療での特殊な虐待の実態把握がなされた。児童相談所、地域全体、保健機関、医療機関それぞれでの在宅支援の実態把握がなされ、ガイドライン作成が開始された。愛着・トラウマ・自己感の障害それぞれに関して、介入法や評価法の決定が行われた。分離ケアでは、一時保護所の実態が詳細に明らかになり、入所児の詳細な分析から、再統合の可能性の評価とケース終結の判断について検討するアセスメントの開発と支援方法の検討が必要と考えられた。施設内虐待調査では、地域から孤立し、権力的な構造の強い施設の危険が明らかとなった。加害や非行予防に関しては、文献検討と参与的観察から理論構築がなされ、非行児童のケアの評価法が提案された。
結論
虐待対応に関する現在の問題点が明らかとなり、新しい方法論が確立されたり、ガイドラインの作成や治療介入の基礎ができた。また、そえれを支えるトレーニングシステムの実態が明らかになり、モデルが作成され、医療や研究のデータベースが構築された。また、虐待が加害に結びつくメカニズムが検討された。

公開日・更新日

公開日
2006-06-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-