保健師・保育士による発達障害児への早期発見・対応システムの開発

文献情報

文献番号
200500428A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師・保育士による発達障害児への早期発見・対応システムの開発
課題番号
H17-子ども-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
高田 哲(神戸大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 宣子(神戸大学 医学部)
  • 小寺澤 敬子(姫路市総合福祉通園センター)
  • 佐藤 眞子(神戸大学 発達科学部)
  • 石岡由紀(神戸親和女子大学 福祉臨床学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)保健所の健康診断やフォローアップ健診で用いる実践的なスクリーニング法、評価法の開発.(2)保健師、保育士への教育研修システムの開発
(3)保育所における障害児と周囲の子ども達への指導法の開発.の3点である。
研究方法
平成17年度は、地域自治体(兵庫県、神戸市、姫路市)との緊密な連携の下に、1)1歳6ヵ月健診において要経過観察と判断された子どもたちへの行動観察の導入、2)家族教育と専門職教育を同時に行う発達支援教室の開設、3)姫路市保健センターにおける多職種者によるグループ観察という3つのモデル事業を立ち上げた。さらに、保健師に対するアンケート調査を施行した.
結果と考察
多くの保健師が直接に発達障害児に関わりながら、自分自身の発達障害に関する知識に自信がなく、保護者との対応に困っている実態が明らかとなった。さらに、姫路市の行動観察教室の結果からも、半数以上の子ども達が健診で異常を指摘されながら家族が十分に対応できていない状況が明らかとなった。そこで、神戸市、神戸大学と協力して新たに二つの発達支援教室を開始した。発達支援教室「ぽっとらっく」においては、従来の研修法とは異なり、託児による保育プログラムに並行して家族と保育士が同時に学ぶ研修プログラムを設け、障害に対して家族と支援者が共通の認識を持つことに主眼をおいた研修を行っている。また、「ほっと」では、少人数の個別支援プログラムを実施している。これらのモデル研修事業によって、より幅広い実践能力を持った保育士の養成が可能になると考えている。
結論
平成18年度には、行動観察と発達予後との関係を前方視的に検討していくとともに、姫路市における多専門職者による行動観察結果をもとに保育園での発達チェックリストを作成していく予定である。また、17年度の研究結果より、支援にあたっては、障害をもつ子ども自身だけではなく、家族全体の機能や周囲の理解を考慮していく必要があることが再認識された。家族への対応や同じ保育園に在籍する健常な子どもの保護者への対応にも考慮を払った指導マニュアルの作成を計画している。

公開日・更新日

公開日
2006-09-20
更新日
-