子どもの心の診療に携わる専門的人材の育成に関する研究

文献情報

文献番号
200500427A
報告書区分
総括
研究課題名
子どもの心の診療に携わる専門的人材の育成に関する研究
課題番号
H17-子ども-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
柳澤 正義(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 牛島 定信(東京女子大学文理学部心理学科)
  • 奥山 眞紀子(国立成育医療センターこころの診療部)
  • 齊藤 万比古(国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部)
  • 庄司 順一(日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
  • 星加 明德(東京医科大学医学部小児科学教室)
  • 保科 清(国際医療福祉大学附属三田病院小児科)
  • 穂積 登(穂積クリニック)
  • 宮本 信也(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 吉田 敬子(九州大学病院精神神経科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子どもの心の問題に関する医療の需要と供給の実態を調査し、得られたエビデンスに基づき、子どもの心の診療に関する望ましい医療システム、それを担う医師及びコメディカルの教育・研修Vステムの提案等を行う。
研究方法
子どもの心の診療のニードに関して、無作為抽出した計約1万か所に及ぶ全国の保育園と公立小・中学校に対して、経験した子どもの心の問題と対応及び連携について、無記名の質問紙調査を行った。医療提供側については、全国の病院小児科・精神科に対して、子どもの心の診療の実態、教育・研修の実態、コメディカルの実態、小児科と精神科の連携に関する調査を行った。また、精神科診療所における子どもの診療の実態調査、児童青年精神医学会認定医に対して研修に関する調査、一般小児科医を対象とする「子どもの心研修会」受講前後での意識調査を行った。さらに全国児童青年精神科医療施設協議会会員施設、日本小児総合医療施設協議会加盟施設における研修体制について調査を行った。
結果と考察
本年度行った多岐にわたる調査の解析を各分担研究者が分担して行った。保育園と小・中学校に対するアンケート調査では、80%前後という多くの保育園・学校で何らかの対応を必要とする子どもの心の問題を経験しているが、医療機関と連携して対応した事例は限られており、医療・相談体制の整備が求められているという結果であった。医療提供側については、小児科、精神科それぞれについて、総合病院、専門医療施設、診療所など、さまざまな医療現場における子どもの心の診療体制、教育・研修体制の不備が明らかになった。専門的な人材の育成とともに、既に第一線で診療に従事している一般小児科医、一般精神科医に対する生涯教育・研修の機会をより多く提供することも必要である。また、小児科と精神科の連携、より専門性の高い施設への紹介・連携システムの整備なども求められる。
結論
子どもの心の診療の必要性が明確化するとともに、医療・研修体制の整備が求められていることが明らかとなった。次年度には、得られたエビデンスに基づいて、子どもの心の診療に関する望ましい医療システムの提案、それを担う医師をはじめとする人材育成のためのカリキュラム・ガイドラインの提案、関係諸機関の連携のあり方の提案などを行う。

公開日・更新日

公開日
2006-10-16
更新日
-