インターネットを用いた医療関係者等に対する医薬品情報の提供方策についての研究

文献情報

文献番号
199700040A
報告書区分
総括
研究課題名
インターネットを用いた医療関係者等に対する医薬品情報の提供方策についての研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 幹夫(千葉大学名誉教授)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
775,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生省が平成11年度からの稼働を予定している医薬品安全性情報提供システムによる医療関係者等への情報提供について、その具体的方策を検討することを目的とする。
研究方法
医療情報に詳しい学識経験者、医療関係者及び医薬品関連業界担当者からなる研究班とその下に作業部会を組織し検討した。
結果と考察
1. 医薬品情報とその提供体制等の整備について
(1) 電子化してインターネットを利用して提供することが望まれる医薬品安全性情報
医薬品安全性情報提供システムでは、インターネットにより医療関係者等に迅速且つ広範に提供する必要のある下記の情報を優先して提供すべきである。
?医療用医薬品添付文書情報
?厚生省の把握する副作用情報
?厚生省から出される安全性情報(緊急安全性情報、添付文書改訂の指示、医薬品等安全性情報等)
?医薬品の回収に関する情報
?新薬の承認等に関する情報
(2) 医薬品情報の提供体制・利用体制等の整備について
?医薬品情報の提供体制の整備
医薬品安全性情報提供システムの運用については、専門性と公的性格を持つ医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)が担当することが適当である。
?情報の有効活用に関する体制の整備
医薬品安全性情報提供システムは、使い易い検索機能等を併せ持つ必要がある。また、医薬品情報の二次加工については、現在、各種団体等により行われているようなサービスが引き続き提供されることが重要である。
?医療機関等における情報化の取組みとの連携
国立病院、国立大学病院を始め、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会等、各方面における情報化の取組みと緊密に連携していくことが重要である。
2. 医療用医薬品添付文書情報の提供方法について
医薬品安全性情報提供システムによる具体的な情報提供の方法を検討するために、医療用医薬品添付文書情報について検討した。
(1) 添付文書情報の具体的提供体制
?添付文書情報の電子化に係る体制
添付文書の電子化については、その正確性及び迅速性を担保するために、添付文書の作成者である製薬企業自らが、その責任において行うことが適切である。
?添付文書データベース機能の提供
各医薬品の添付文書情報を網羅的且つ高度に利用するためには、医薬品安全性情報提供システム上に、添付文書情報に係るデータベース機能が必要である。
(2) 添付文書情報の電子的標準化
?電子的書式の標準化
添付文書については、それを電子化するための統一的な電子的書式を定めることが適当である。その書式はSGML(Standard Generalized Markup Language)を用いて定義することが適当と考えられる。
本研究班は、書式の試案を提言する。
?用語等の標準化
電子化した添付文書情報を有効に活用するためには、用語の標準化が必須である。ICH(日米欧3極医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議)で定められた医薬用語集MedDRAの積極的な導入が期待される。
結論
厚生省が平成11年度からの稼働を予定している医薬品安全性情報提供システムによる医療関係者等への情報提供について、提供する医薬品情報とその提供体制等の整備について検討した。特に医療用医薬品添付文書情報の提供方法については、さらに具体的な検討を行い、添付文書の電子化に係る書式の試案を提言した。
添付文書の電子化については、各方面の意見を踏まえ、電子的書式を確立し、電子化された情報の収集、提供のための体制を構築していく必要がある。一方、添付文書以外の医薬品情報の具体的な提供方法について更に検討する必要がある。
また、インターネットの特性を活かした双方向の情報伝達の可能性について検討することも重要である。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)