中学生と乳幼児の交流が相互の発達に与える効果に関する研究―保育者による次世代育成をめざした子育て支援プログラムの立案と実施―

文献情報

文献番号
200500410A
報告書区分
総括
研究課題名
中学生と乳幼児の交流が相互の発達に与える効果に関する研究―保育者による次世代育成をめざした子育て支援プログラムの立案と実施―
課題番号
H16-子ども-022
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
七木田 敦(広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 晃(広島大学大学院教育学研究科)
  • 安井 友康(北海道教育大学教育学部)
  • 水内 豊和(富山大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 わが国においても,「幼児とのふれあい経験」の効果については,すでに多くの報告がある。このようにさまざまな教育的な意義が期待される「幼児とのふれあい体験」であるが、受け入れ側の保育所幼稚園からは負担感も多く不満や不安も少なくないのが実情である(七木田,2005)。
 本研究は、高校で取り組まれている「保育体験」より早期の中学生から 体系的に体験できるプログラムを作成するために、従来の学校主導ではなく、保育現場の側から、将来の親となる生徒に期待する育児意識や知識を提供するという保育者主導型のプログラムを立案し実施し、その効果について分析することを目的とする。
研究方法
広島県H市内のA中学校における家庭科の授業を受けた2年生4クラス165名を対象とした。そのなかで2年1組には保育体験を行うにあたって保育によるグループワークを実施し、保育体験でも関わった保育士のクラスで実施することにした。保育体験を行う事前ならびに事後に、アンケートを実施した。保育体験を終えて、子育てに対する意識変容をアンケートにより調査し、保育体験の前に実施したアンケートの結果と比較した。
結果と考察
中学校において、将来の親となる生徒に期待する育児意識や知識を提供するという保育者主導型の事前指導を実施したグループと、従来のように中学校教師が事前指導するというグループにおいて、保育体験を実施した結果、幼児理解項目では、保育者が関わったグループの方で保育体験後数値が向上した。一方,学習意欲や子育て支援に対する意識に関わる項目では、顕著な差として効果が認められなかった。  
結論
本研究では、事前指導に、幼児の日常や発達の様子、さらに遊びの意義、幼児の様子などをビデオ教材などを用いて新たな学習カリキュラムとして立案した。また事前/事後指導において乳幼児への関心や育児意識などのアンケートの結果を比較検討するなど、保育体験の体系的プログラムを図ることも目的とし、これまで、たんに子どもと触れ合うのみで終わっていた保育体験の意義と必要性を根本的に検討した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-