先天異常モニタリング・サーベイランスに関する研究

文献情報

文献番号
200500403A
報告書区分
総括
研究課題名
先天異常モニタリング・サーベイランスに関する研究
課題番号
H16-子ども-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平原 史樹(横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学 産婦人科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活環境内には様々な外的先天異常発生要因が多く存在することからこれらの諸物質、諸因子を常時継時的に定点監視し、何らかの変動を早期に感知して、その変動を分析するシステム(先天異常モニタリング・サーベイランスシステム)は母児の健康維持、健康政策上きわめて重要である.本研究はこの先天異常発生要因の存在を疫学的観点から分析する本邦唯一の調査解析研究であり、全国レベル(日本産婦人科医会)、地域(東海3県、神奈川県、石川県)において解析検討した.また、葉酸摂取推進の観点から、妊娠女性の妊娠時の食生活、栄養摂取状況の調査、不妊生殖補助医療の発展からその影響等を検討する目的で行われた。
研究方法
(1)全国規模モニタリング日本産婦人科医会先天異常モニタリングによるデータ収集
(2)地域全人口対象モニタリング(東海3県、神奈川、石川)(夏目長門、黒澤健司、中川秀昭)
(催奇形因子の発見・同定と同時にその警告の発信ができる態勢の整備・準備は常時臨戦態勢
(3)プロジェクト解析①葉酸の摂取状況と葉酸摂取推進情報提供の進達状況の解析
なぜ若年女性に浸透しないか、その浸透状況の分析とその対応を検討した
②葉酸代謝酵素パターンと摂取状況による代謝状況の調査分析を行った
③本邦女性おける葉酸摂取状況の秤量調査、その血中葉酸レベル
④遺伝子多型による葉酸摂取の波及効果(ホモシステイン等)
⑤増加した先天異常に関する解析検討
結果と考察
先天異常児出産頻度は1-2%であり、心室中隔欠損が最も多く、ついで口唇・口蓋裂、ダウン症、耳介低位、水頭症、十二指腸・小腸閉鎖、が高頻度発生異常であった。昨年の調査と比し、若干の順位の入れ替えはあるものの上位の高頻度異常はほぼ同様の傾向であった。神経管閉鎖障害の一つである髄膜瘤、尿道下裂、腹壁破裂は、引き続いて増加傾向を示しており、これらの背景要因には環境因子が複雑に関与しているものと考えられるが引き続き検討課題となった.
また、プロジェクト解析として、遺伝子多型による葉酸摂取の波及効果(ホモシステイン等)等の結果から、本邦女性への適切な葉酸摂取方法への検討が必要である.
また、本モニタリングシステムの解析検討から、生殖補助医療と先天異常、先天性風疹症候群、サリドマイド再使用等の先天異常を取り巻く環境因子との解析の必要性が生じている.
結論
先天異常モニタリングは健康政策上、多数の変異原となりうる環境要因、物質があるなかで、経時的モニタリングとその評価の重要性が示されまたいくつかの要因(生殖補助医療等の影響)は慎重に追跡が必要である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-07
更新日
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