文献情報
文献番号
200500389A
報告書区分
総括
研究課題名
妊娠・出産と母子の長期的経過についての縦断研究
課題番号
H15-子ども-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
三砂 ちづる(津田塾大学学芸学部国際関係学科)
研究分担者(所属機関)
- 福島富士子(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
- 丹後俊郎(国立保健医療科学院技術評価部)
- 竹内正人(元葛飾赤十字産院)
- 榊原洋一(お茶の水女子大学子ども教育発達研究センター)
- 菅原ますみ(お茶の水女子大学文教育学部)
- 小林秀資(長寿科学振興財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
当研究では、肯定的でおだやかな母と子の関わりにむけて、早急に介入可能なポイントとして、出産に注目する。すなわち「よりよい出産経験が、乳幼児虐待の減少と関わりがある」および「出産経験がその後の母子の健康、母子関係、子どもの行動障害と関連がある」ことを仮説とした研究をおこなう。
研究方法
本研究は前向きコホート研究である。対象は、一年間で、参加出産施設で出産した女性とその赤ちゃんである。デザインとしては、TBEを経験したグループと、そうでないグループに分け、出産後、4ヶ月以降、定期的に面談によるフォローアップを、まず出産施設の女性の手記より「TBE-Transforming Birthing Experience(変革につながるような出産)」をあらわす質問を作成した。その上で、出産経験、その他の産科指標を詳細に記録した、出生時からの前向きコホート研究を行うことにより、妊娠、出産の状況がその後の母子の健康、母子関係、虐待傾向、子どもの行動障害などに与える影響について明らかにすることを試みてきた。また、そのような肯定的な出産経験を可能にする決定因子についても分析を行った.
結果と考察
当研究事業として開始した平成15年度は、「変革につながるような出産経験」のスケール作りをおこなった。簡便な自記式スケールも作成し、他の研究事業でもすでに使用されている。平成16年度は、フォローアップの継続とともに、上記スケールの論文化、「変革につながるような出産経験」の決定因子分析、4ヶ月フォローアップデータの分析などを行った。最終年度である平成17年度は、4ヶ月、8ヶ月、1歳4ヶ月フォローアップデータの分析を行い、フォローアップデータを含む学会発表を行った。
結論
今までの結果から、自分の身体に向き合った肯定的な出産経験をすると、妊娠、出産に対して肯定的になり、母乳育児もスムーズで、育児にもプラスの影響を与えていることが明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2007-02-27
更新日
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