文献情報
文献番号
200500369A
報告書区分
総括
研究課題名
病棟・居室棟でのリハビリテーションと在宅自立支援に関する研究-WHO・ICFモデルに立った個別性重視の医療と介護の連携
課題番号
H16-痴呆・骨折-018
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
大川 弥生(国立長寿医療センター研究所生活機能賦活研究部)
研究分担者(所属機関)
- 野中 博(日本医師会)
- 木村 隆次(日本介護支援専門員協会)
- 半田 一登(日本理学療法士協会)
- 中村 茂美(日本作業療法士協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
19,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「高齢者リハビリテーション研究会」において示された方向性にもとづき、緊急の課題である生活機能向上目的の在宅自立支援のあり方を、特に「脳卒中モデル」と「廃用症候群モデル」の2タイプの特徴の明確化に重点をおいて解明する。その際、リハビリテーション(以下、リハと略す)とは専門的リハだけでなく介護・一般医療も含むものとし、連携を重視する。
研究方法
以下の研究は全てICF(国際生活機能分類)モデルにそって実施・分析した。
○生活機能低下の契機に関する研究:対象:1市の在宅後期高齢者896名:回収率88.7%<悉皆調査郵送留め置き回収>。
○脳卒中モデルの再検討:1市の在宅要介護認定者全員(N=542)のうち脳卒中モデルを呈したことのある者(「経験者」N=271名)について生活機能の経過を再検討<再度訪問調査、電話聴取等>。
○入院リハ実施患者における入院前の生活機能の経時的変化:N=237名<直接面接法>。
○介護支援専門員による、生活機能低下の類型分類と、生活機能改善の可能性の判断(N=2,012名)。
○介護保険サービス関係者における生活機能と生活不活発病の認識とその実務への活用に関する研究(介護支援専門員N=403名、その他N=189名)
○生活機能低下の契機に関する研究:対象:1市の在宅後期高齢者896名:回収率88.7%<悉皆調査郵送留め置き回収>。
○脳卒中モデルの再検討:1市の在宅要介護認定者全員(N=542)のうち脳卒中モデルを呈したことのある者(「経験者」N=271名)について生活機能の経過を再検討<再度訪問調査、電話聴取等>。
○入院リハ実施患者における入院前の生活機能の経時的変化:N=237名<直接面接法>。
○介護支援専門員による、生活機能低下の類型分類と、生活機能改善の可能性の判断(N=2,012名)。
○介護保険サービス関係者における生活機能と生活不活発病の認識とその実務への活用に関する研究(介護支援専門員N=403名、その他N=189名)
結果と考察
○在宅要介護者で脳卒中モデル経験者において、生活機能低下のエピソードが断続的リハ期にあり57.9%、発症前あり43.9%、少なくともどちらかにあり74.2%であった。その半数以上は廃用症候群モデルを呈していた。入院患者でも同様の傾向であった。
○介護支援専門員が廃用症候群と判断した要支援、要介護1者で「活動」の改善可能性ありとの判断は29.9%にとどまった。
○介護保険サービス関係者において生活機能や廃用症候群について知っているつもりでも、実際の臨床上の知識は不十分であった。
○介護支援専門員が廃用症候群と判断した要支援、要介護1者で「活動」の改善可能性ありとの判断は29.9%にとどまった。
○介護保険サービス関係者において生活機能や廃用症候群について知っているつもりでも、実際の臨床上の知識は不十分であった。
結論
○「脳卒中モデル」の再構築の必要性:脳卒中モデルにおいて生活不活発病は、従来指摘されてきた原因疾患発症後の安静によるものだけでなく、発症前後にもしばしば起こることが確認された。すなわち、脳卒中等の発症受傷を患者・利用者の一生の中に位置づけ、廃用症候群発生の契機を重視したリハのプログラムとシステムをつくる必要がある。またこのことからも「維持期」という名称の矛盾が更に明らかになった。
○連携のキーパーソンたる介護支援専門員の、廃用症候群と生活機能向上について認識の向上が必要である。
○連携のキーパーソンたる介護支援専門員の、廃用症候群と生活機能向上について認識の向上が必要である。
公開日・更新日
公開日
2006-06-22
更新日
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