骨折リスク予測のための次世代型骨強度評価システムの開発

文献情報

文献番号
200500364A
報告書区分
総括
研究課題名
骨折リスク予測のための次世代型骨強度評価システムの開発
課題番号
H16-痴呆・骨折-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 昌子(長崎大学医学部・歯学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.骨梁構造解析システムの標準化のために、多種のMDCT装置でのシステム構築を試み、多施設による縦断的検討を開始する。被曝線量に関して詳細に再検討する。
2.実証試験の手法を確立し試験を実施する。試験結果と骨梁構造を対比し、骨力学特性と骨梁構造の関係を検討する。
3.有限要素解析(FEA)と実証実験を照合して解析の妥当性と精度を確認する。

研究方法
1.前年度研究成果として構築したin vivo骨梁構造解析システムを、他MDCT装置にても構築し標準化を試みる。縦断的研究の基礎を作り臨床研究を開始する。
2.ファントムを用いた専門家による線量測定を行い、それに基づいて実効線量の算出を行う。
(昨年度に引き続き下記の3, 4の検討を行う)
3.実証試験で得られたヒト骨標本の骨力学特性データと骨梁構造の関係を検討する。マイクロCTにより骨梁の圧壊状態を確認する。
4.構造特性に関与するパラメターサーベイを行い、実証試験データ(荷重-変位曲線)へのフィッティングが可能か確認する。実際的なパラメター範囲で解析結果と試験結果を比較する。
結果と考察
1.被曝線量はCTDIw 37.35mGyであり、実効線量に換算すると 2.1 mSv と算出され、1年間の自然放射線2.4 mSv より若干少なく、安全な検査であることが確認された。このシステムの標準化と縦断研究は進行中である。
2.実証試験の成果
今年度18骨標本のデータ収集を行った。昨年度のデータと併せて検討した結果、主弾性領域以前に初期弾性領域が存在する事が示唆された。主弾性領域でのグラフの傾きと降伏荷重は相関を示した。3次元マイクロCT画像により骨梁の圧壊状態が観察できた。
3.解析に関する研究成果
①CT画像の構造解析用メッシュが生成可能となった ②構造特性のパラメターサーベイを行い、荷重-変位曲線へのフィッティングが可能となった ③ほとんどのモデルでは、最適なパラメターを用いることで、比較的良好な試験データとの一致が認められた ④CT画像のしきい値を検討した。
 さらにプログラムの改良と試験データの蓄積が必要ではあるが、骨強度評価システムの原型構築の目的に対し良好な結果を得られた。
結論
臨床用CTで得られた骨梁構造データに基づく骨強度評価システムの原型構築を行った。今後の臨床への適用を目指して、簡便性と汎用性を考慮したシステムへの改良を試みる。

公開日・更新日

公開日
2006-04-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200500364B
報告書区分
総合
研究課題名
骨折リスク予測のための次世代型骨強度評価システムの開発
課題番号
H16-痴呆・骨折-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 昌子(長崎大学医学部・歯学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1. 臨床用多列検出器CT(MDCT)によるin vivoヒト脊椎骨梁構造を評価するシステムを、基礎実験により確立し、同システムによる骨折リスク評価の有用性を検討する。
2.実証試験の手法を確立し試験を実施する。試験結果と骨梁構造を対比し、骨力学特性と骨梁構造の関係を検討する。
3.有限要素解析(FEA)と実証実験を照合して解析の妥当性・精度を確認する。
研究方法
1.MDCTの撮像・解析条件は摘出骨を用いて、マイクロCTデータや画像と比較し、強度試験の結果を参照して決定する。閉経後女性の骨折群、非骨折群の構造パラメターおよび骨密度(DXA)を求め、それらのデータの骨折検出能をROCとオッズ比で評価する。
2.実証試験法を確立し、ヒト骨標本を用いて骨力学特性と骨梁構造の関係を検討する。マイクロCTにより骨梁の圧壊状態を確認する。
3.構造特性に関与するパラメターサーベイを行い、実証試験データ(荷重-変位曲線)へのフィッティングが可能か確認する。実際的なパラメター範囲で、解析結果と試験結果の比較を行う。
結果と考察
1.in vivo 骨梁構造評価
ヒト脊椎海綿骨梁構造を評価するシステムを確立し、本システムが骨折リスクの評価にはDXA以上の感度を有することを確認した。被曝線量に関しても詳細な検討を行い、安全性を確認した。
2.実証試験の成果
昨年度6骨標本、今年度18本のデータ収集を行った。主弾性領域以前に初期弾性領域が存在する事が示唆された。主弾性領域でのグラフの傾きと降伏荷重は相関を示した。3次元マイクロCT画像により骨梁の圧壊状態が観察できた。
3.解析に関する研究成果
①CT画像の構造解析用メッシュが生成可能となった ②構造特性のパラメターサーベイを行い、荷重-変位曲線へのフィッティングが可能となった ③ほとんどのモデルでは、最適なパラメターを用いることで、比較的良好な試験データとの一致が認められた ④CT画像のしきい値を検討した。
 さらにプログラムの改良と試験データの蓄積が必要ではあるが、骨強度評価システムの原型構築の目的に対し良好な結果が得られた。今後臨床への適用には以下の検討が必要である ①より高い解像度の画像の獲得 ②グレースケールのデータの取り扱い ③マクロ的な骨の一部の骨梁構造という解析の検討
結論
臨床用CTで得られた骨梁構造データに基づく骨強度評価システムの原型構築を行った。

公開日・更新日

公開日
2006-04-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500364C

成果

専門的・学術的観点からの成果
現在、骨量に基づいて骨粗鬆症の診断、骨折リスクの評価、薬物の治療効果の評価が行われている。しかし、その感度には限界があり、骨質に基づく評価が期待されている。一方、確立された骨質評価法はまだ実験室レベルに過ぎない。本研究では、骨密度に依存せず、骨質の一つである脊椎骨梁構造の三次元データに基づく有限要素解析によって、in vivoに骨強度を直接に計測するシステムの原型を構築した。骨質を意識した臨床評価法の可能性を提示した。
臨床的観点からの成果
非侵襲的な骨強度計測を目的としたシステムの原型ができたが、今後さらに研究を進展させることによって、臨床に適用できるシステムを構築できるであろう。本システムが臨床へ適用できるようになれば、骨折リスク評価の感度の増加と、薬物療法の効果評価における精度の向上が得られ、骨折発生の減少につながる。この検査における被曝線量は、自然放射線の年間量相当よりも少ない量であり、閉経後女性や高齢者において安全に施行できる検査であることが確認された。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Masako Ito, Kyoji Ikeda, Masahiko Nishiguchi, et al.
Multi-detector-row CT imaging of vertebral microstructure for evaluation of fracture risk
Journal of Bone Mineral Research , 20 (10) , 1828-1836  (2005)
原著論文2
Masako Ito, Akifumi Nishida, Kiyoshi Aoyagi, et al.
Effects of risedronate on trabecular microstructure and biomechanical properties in ovariectomized rat tibia
Osteoporosis International , 16 , 1042-1048  (2005)
原著論文3
Masako Ito, Keiji Nakayama, Akira Konaka, et al.
Effects of a prostaglandin EP4 asonist, ONO-4819, and risedronate on trabecular microstructure and bone strength in mature ovariectomized rats
Bone  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-