痴呆性高齢者におけるケアサービスの質的評価に関する研究

文献情報

文献番号
200500361A
報告書区分
総括
研究課題名
痴呆性高齢者におけるケアサービスの質的評価に関する研究
課題番号
H16-痴呆・骨折-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 数井裕光(大阪大学大学院医学研究科)
  • 櫻井孝(神戸大学)
  • 浦上克哉(鳥取大学)
  • 桑野康一(NPO法人シルバー総合研究所)
  • 梅垣宏行(名古屋大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的はグループホームや小規模多機能ケア施設における新しい認知症介護の質の評価と人材教育(現任研修)の質を向上させることである。
研究方法
認知症高齢者のケアサービスの質的評価に関する介入研究を行った。また介護サービスに対する満足度調査とQOL-Dを用いて観察評価を行った。また職員の認知症に対する知識の普及度調査を行った。次に在宅サービスの利用者の介護者にアンケートをおこない、サービスのニーズや必要性、介護負担等について調査した。さらに小規模多機能ケアの自己評価表を作成することを試みた。小規模多機能ケアの質的な検討を目的に、小規模で、家庭的場合と、そうでない場合の違いについてケアの質について検討した。また認知症ケアマッピング(DCM)を用いて、介護施設、デイサービスでのケアの質に関して相互評価に関する研究を行った。
結果と考察
遠藤らは自己評価表を用いて「認知症ケアマネジメント センター方式」による介入研究を行った。導入前後で自己評価点を比較したところ、導入後に評価点が上昇し、センター方式の有効性が示された。
数井らによれば、介護サービスの満足度は高いが、主介護者の意見はばらつきがあり、職員の教育に課題があることが示唆された。専門的知識を持っている職員が多い施設ほど認知症性高齢者のQOLが高いことが明らかになった。
梅垣らによれば認知症のあるサービス利用者の介護者は、デイサービス、デイケア、ショートステイの必要度の評価が高かった。
櫻井らによれば認知症の知識は高位職種(資格)ほど、点数が高かった。グループホームの内部評価表では78.8%の達成度であり、全体的に完成度が高かったが、小規模多機能に対しては、63.5%であった。小規模多機能の評価では、ケアマネジメント、情報公開・個人情報、文章管理、通所機能、職員教育が実務者で評価が低かった。
浦上らは認知症高齢者の状態の変化を観察し、観察開始時と経過後では、小規模DS利用者に、陽性の感情のQOLが高くなること、会話や周囲への関心が、多く見られ可能性が示唆された。
桑野らはDCMマッピングにより行動カテゴリー分析、WBI値の比較または変動、PEやPDの内容と頻度の分析により施設により質の評価が可能性があることが明らかになった。
結論
本研究により自己評価法の課題、DCMによる相互評価の可能性、QOLの評価を導入した家族・利用者評価について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200500361B
報告書区分
総合
研究課題名
痴呆性高齢者におけるケアサービスの質的評価に関する研究
課題番号
H16-痴呆・骨折-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 数井裕光(大阪大学大学院医学研究科)
  • 櫻井孝(神戸大学)
  • 浦上克哉(鳥取大学)
  • 桑野康一(NPO法人シルバー総合研究所)
  • 梅垣宏行(名古屋大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究【痴呆・骨折臨床研究(若手医師・協力者活用に要する研究を含む)】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症介護サービスの質の確保と向上に関して、エビデンスが必要であり、認知症性高齢者の介護に関する実証的研究を行うことを目的とした。
研究方法
認知症のグループホーム(GH)の自己評価表を用いて、その有効性を検討した。また「認知症ケアマネジメント・センター方式」を用いて介入研究を行った。
利用者に対して満足度、QOL-Dを調査した。また主介護者に対してもアンケート調査を行い、介護サービスの満足度調査と介護負担感の調査を行った。
GHおよび介護老施設におけるADL、認知機能および認知症に伴う行動・心理症候(BPSD)の頻度と対応の困難さについて調査した。
新設のGHと既存のGHとの比較研究を行った。また小規模多機能居宅介護で、新しく自己評価表を作成を試みた。
認知症高齢者におけるデイサービスとGHにおけるケアの質的評価に関する研究を行った。また認知症ケアマッピング(DCM)の手法を用いて、ケアの質的評価に関する研究を行った。
結果と考察
GHの自己評価法の有用性を検討し、またセンター方式の有効性が明らかにした。
認知症介護サービスの利用者満足度は高いものの、専門的知識を持っている職員が多い施設ほど利用者のQOLが高いことが明らかになった。
GHの入居者ではグループホームでは「帰宅要求」、「尿失禁」、「文句を言う」等が多くみられ、また認知症のある高齢者の介護者において通所介護、通所リハ、短期入所の必要度の評価が高かった。

未熟なGHでは運営体制、サービスの成果、ケアマネジメント、家庭的な生活空間つくり、心身の状態にあわせた生活空間つくり、さらに生活支援や健康管理、地域での生活支援において有意な差がみられ、小規模多機能の評価では、ケアマネジメント、情報公開・個人情報、文章管理、通所機能、職員教育が実務者で自己評価点が低かった。小規模通所介護利用者に、陽性の感情のQOLが高くなること、会話や周囲への関心が多く見られ、ケアの質の差異の存在の可能性が示唆された。

DCMにより相互評価によって、想像力や洞察力を使って利用者の気持ちの動きを考えられるといった、のケアの資質を向上させることが明示された。
結論
自己評価、相互評価の有用性、第三者評価の課題、利用者のQOLの向上には職員の知識度と相関があり、認知症介護の質の向上には自己評価や人材教育が重要であり、介入が必要であることを示した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500361C

成果

専門的・学術的観点からの成果
グループホームにおける自己評価、小規模多機能居宅介護の評価に関する研究を行った。また職員への知識度の評価を行い、一方介護サービス利用のQOLとの相関に関する研究を行った。さらには認知症介護サービスの質に関する調査研究を新しい指標の作成を計画し、その認知症介護の質の向上を目的とした研究を行った。
臨床的観点からの成果
イギリス・ブラッドフォード大学で施行されているDCM(認知症ケアマッピング)を用いて、介護施設ユニットケアやグループホーム、小規模多機能ケア施設でのマッピングを行い、行動カテゴリー分析とフィードバックにより認知症介護施設でのケアの向上、教育について検討した。
ガイドライン等の開発
グループホームの自己評価法を参考に、小規模多機能居宅介護の自己評価法の開発を行った。
その他行政的観点からの成果
認知症介護サービスの質の向上は緊急かつ重要な課題であり、本研究は介護職の知識の重要性、認知症介護評価の方法について、今後の方向性を示す研究を行った。
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
今後の介護施設の評価に重要なことは、職員の教育、研修と評価が重要であり、介護施設の第三者評価や情報公開に重要なポイントであることを示した。
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Joji Onishi,Hiroyuki Umegaki,Hidetoshi Endo et al
A comparison of depressive mood of older adults in a community, nursing homes, and a geriatric hospital: factor analysis of geriatric depression scale.
J Geriatr Psychiatry Neurol. , 19 (1) , 26-31  (2006)
原著論文2
Joji Onishi,Hiroyuki Umegaki,Hidetoshi Endo et al
Influence of behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD) and environment of care on caregivers’burden 
Archives of Gerontology and Geriatrics  , 41 , 159-168  (2005)
原著論文3
遠藤英俊
介護保険の改正と認知症ケアの新しい潮流
日本プライマリ・ケア学会誌 , 28 (3) , 161-168  (2005)
原著論文4
遠藤英俊
介護保険制度の問題点と見直しへの提言
精神神経学雑誌 , 106 (1) , 73-77  (2004)
原著論文5
遠藤英俊
高齢者の包括医療
日本老年医学会雑誌 , 41 , 375-377  (2004)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-