医療機関外来部門における認知症看護相談・教育統合プログラムの開発

文献情報

文献番号
200500328A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関外来部門における認知症看護相談・教育統合プログラムの開発
課題番号
H17-長寿-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
水谷 信子(兵庫県立大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 平林美保(兵庫県立大学 看護学部)
  • 得居みのり(兵庫県立姫路循環器病センター)
  • 西山みどり(神戸海星病院)
  • 森山祐美(新日鐵広畑病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,610,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今年度の目的は、早期段階と診断された認知症高齢者の介護家族への“認知症看護相談機能”と“認知症介護教育”を一本化した「認知症看護相談・教育統合プログラム」の試案作成とパイロットスタディを実施し、その有効性の検証及び追加・修正を行うことにある。
研究方法
1.プログラム試案の作成: 老人看護CNSと認知症看護の研究者が、臨床での実践や介護家族への相談・指導に関する研究的取り組みを参考に、「認知症疾患と介護」「社会資源のマネージメント」「アクティビティケア」「健康管理」の4プログラム案を作成した。
2.研究協力者:「認知症」診断を受け、在宅療養が1年以内の65歳以上の高齢者を介護している家族で、研究協力の同意が得られた4名。
1)データ収集施設と期間:H県内医療機関・認知症専門外来にて、平成17年12月3日?平成18年1月28日にデータ収集を行った。
2)データ収集方法:「認知症看護相談・教育統合プログラム」試案を1回/1時間、1回/2週間の頻度で実践し、録音及び実施記録によるデータ収集を行った。
4)データ分析方法:録音データは実施記録と共に記述データとし、「認知症看護相談・教育統合プログラム」試案での研究者・介護家族間のやり取りを質的に分析した。介護家族の変化は、研究分担者間のミーティングで確認し、実施記録に書き加えた。また、データ分析の信頼性・妥当性は、研究代表者、当学部大学院老人看護修士修了生との研究会議において確保した。
結果と考察
「認知症看護相談・教育統合プログラム」試案の実践分析より、本プログラムは、介護家族の介護に対するネガティブ・ポジティブ両極の感情を引き出し、心理的サポート及び教育的指導を行えることが分かり、「対話形式の教育プログラム」としての有用性が検証されたが、介護家族のグループダイナミクスの検証は不十分であり、個別相談や介護家族の特性を組み入れたプログラム展開は、次年度の課題となった。
結論
介護家族からは「認知症看護相談・教育統合プログラム」を有意義に捉える反応が相次いだ。今後は、更に認知症高齢者を柔軟に捉える視点を引き出しつつ、家族の介護を認め、指導・評価できるよう、プログラム内容を調整すること、再度医療機関で本プログラムを実践し、介護家族のグループダイナミクスの検証と、個別相談や介護家族の特性に基づいた指導のプログラムへの導入について、新たなデータを見出すことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-