要支援者および軽度要介護者の介護サービスの計画および標準化に関する研究

文献情報

文献番号
200500308A
報告書区分
総括
研究課題名
要支援者および軽度要介護者の介護サービスの計画および標準化に関する研究
課題番号
H16-長寿-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
杉原 素子(国際医療福祉大学保健学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,628,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.『軽度層高齢者のケアプラン作成のための評価』試案の作成。
2.作成した評価様式を用いた調査から『軽度層高齢者を類別化』を実施し、『軽度層高齢者の状態像』を把握。『軽度層高齢者のケアプランの標準的モデル』を提示する。
研究方法
1.『軽度層高齢者のケアプラン作成のための評価』の作成について
 昨年度試案した「軽度層高齢者の類別結果に対応した評価項目と評価基準案」に加え、LawtonのIADL評価表、老研式活動能力指標、江藤らのADL20を参考に評価項目を再検討し「軽度層高齢者のケアプラン作成のための評価」を試案し、予備調査を実施した。
2.『軽度層高齢者のケアプランの標準的モデル(軽度層の類別化)』の検討について
 栃木県大田原市内在住の軽度層高齢者に訪問調査を実施した。調査は47歳から95歳(81.5歳±8.0)、男性20名、女性50名の計70名に対して市内の事業所11施設の協力のもと担当ケアマネージャーとともに聴き取りをおこなった。
結果と考察
 評価様式は、『起居・移動』4項目、『ADL・IADL』16項目、『社会参加』12項目、の合計32項目、各項目を3段階評価後、『本人の困難度』を3段階で把握することとした。絵カードを提示しながら調査を実施することにより40分程度で介護予防プラン検討のためのニーズ把握が可能となった。
 調査による「軽度層高齢者の状態像」は大半の者が家庭内ADLは自立し、日中の留守番、自分の昼食の準備と後片付け、庭いじり、草むしり、自室の掃除や整理整頓、自分の下着・衣服の洗濯、趣味活動、そして定期的なデイサービス利用の生活を行っている姿がイメージできた。しかしながら、基本的な生活は十分行えているように見受けられても、現在の生活状況の維持や改善に向けて今後考慮していくべき事項はあると考えた。本研究により検討した「基本動作困難群」・「基本動作高位群」・「社会参加高位群」・「家庭内役割無し群」・「意欲の低下および不安が高い群」・「意欲の低下および物忘れ自覚群」の軽度層高齢者の類別化及び各群に対応したケアプランの実施により軽度層高齢者の健康維持につながると考えられた。
結論
・試案した『軽度層高齢者のケアプラン作成のための評価』は、対象者のニーズに応じた個別プランの作成に役立つ。
・『軽度層高齢者』の類別化の基準および類別化に対応したケアプランの考え方は、大田原市内の介護保険に関わる関連職種、当事者と共通の言語で語ることができることから、市内全域の軽度層高齢者の健康維持につながる。

公開日・更新日

公開日
2006-04-12
更新日
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