24時間訪問介護・看護の効果的・効率的な実施方法の開発研究―夜間・早朝の訪問看護必要者の発見と提供方法の標準化―

文献情報

文献番号
200500307A
報告書区分
総括
研究課題名
24時間訪問介護・看護の効果的・効率的な実施方法の開発研究―夜間・早朝の訪問看護必要者の発見と提供方法の標準化―
課題番号
H16-長寿-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
村嶋 幸代(東京大学大学院医学系研究科 地域看護学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 永田 智子(東京大学大学院医学系研究科 地域看護学分野)
  • 田口敦子(東京大学大学院医学系研究科 地域看護学分野)
  • 川越 博美(聖路加看護大学)
  • 岡本 玲子(神戸大学医学部 保健学科 地域看護学講座)
  • 田上 豊(株式会社三菱総合研究所 ヒューマン・ケア事業開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,817,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「訪問看護ステーションにおける効果的・効率的な24時間ケアモデルの開発」(平成15年度厚生労働省老人保健推進費等事業)で提示した、複数の訪問看護ステーション(以下、ステーションとする)が連合して夜間・早朝の計画的訪問を行う連携体制モデルを、日中のみの計画的訪問しか行っていないステーションを対象に実施し、その構築方法の明確化と利用者への効果の検証を行った。
研究方法
チェックシートと事例検討により、夜間・早朝の訪問看護必要者をステーションの全利用者から選定し、同意が得られた対象者に、夜間・早朝の訪問看護を約5か月間提供した。データは、訪問看護師および対象者(本人または家族)から得た。訪問看護師には対象者の基本情報や経過に関する調査票への記入、夜間・早朝の訪問看護体制の構築過程について記述を依頼した。対象者には、訪問看護師の利用やそれによる変化について調査票への記入およびヒアリングを提供期間の前後に依頼した。
結果と考察
夜間・早朝の計画的訪問の提供体制を構築する際のポイントとして明らかになった点は、1.夜間・早朝の拠点は最も利用者が多い地域に設置するのが効率的である、2.ステーションのインフラ整備が必要(新規雇用、仮眠室など)、3.看護師の雇用が困難であり、複数の媒体を利用して何度も宣伝が必要、4.夜間・早朝の計画的訪問看護を提供するための体制構築や継続のために、その必要性や効果について他機関からの理解を得ることが必要、等であった。
なお、利用者側への効果として、1.誤嚥性肺炎のために入退院を繰り返していたが、訪問看護師の夜間・早朝の吸引によって在宅療養を継続できるようになった、2.夜間・早朝の訪問で看護師がインシュリン注射することによって、低血糖発作を起こさなくなった、等が見られた。ステーションの効果は、1.3か所のステーションが夜間・早朝帯に連合することによって、一定以上の利用者数を確保でき夜間・早朝の人件費を賄えた、2.夜間・早朝の訪問看護サービスの提供により他機関からの信用が高まった、等であった。
結論
複数の訪問看護ステーションが連合して夜間・早朝の計画的訪問を行う連携体制モデルの実施によって、利用者やステーションの双方に効果があった。また、夜間・早朝の訪問看護提供体制の構築方法を蓄積することができた。

公開日・更新日

公開日
2006-05-29
更新日
-