自立と介助の両側面からアプローチしたベッドの開発

文献情報

文献番号
200500289A
報告書区分
総括
研究課題名
自立と介助の両側面からアプローチしたベッドの開発
課題番号
H16-長寿-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
井上 剛伸(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎 信寿(慶應義塾大学 理工学部)
  • 守山 利奈(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,422,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ベッド上での生活を余儀なくされる高齢者・障害者の最大限の自立を促進し、介助者の役割を最小限に設定した上で、介助者負担を軽減する新しいベッドの開発を行うことを目的とする。今年度は、施設介助者の腰部負担計測、実験用ベッドの試作、覚醒度評価法の精度向上を行なった。
研究方法
看護作業時の負担要素を抽出するため、長時間姿勢計測システムを構築し、身長、勤務時間帯、勤務病棟の3条件で実際の作業を計測した。また、ベッド上での自立を実現する身体支持方法を検討するため、実験ベッドの機構設計と製作、部品の選定を行い、試作した。さらに、覚醒指標としての妥当性を検証するため、開眼度と従来指標を比較した。
結果と考察
各条件に特有の負担集中時間帯を抽出することができた。また、患者と接する介助作業や環境整備時などで危険姿勢が多く出現することが分かった。実験用ベッドの設計の実現性評価では、全て設計目標値を満たした。体格対応性評価では、体格によらず同様の姿勢が取れ、快適姿勢を実現できることが確認された。また、開眼度は従来指標である眠気表情値と非常に高い順位相関を示した。

看護師の姿勢の特徴,および問題点が明らかになり、得られた問題点をもとにベッド環境、作業手順、勤務帯などについての改善策を提案した。作成した実験ベッドは、10台のアクチュエータにより、胸部・腰部・臀部・大腿部の寸法と、臀部を除く6面の角度を自由に調節することができる。また、開眼度を用いることで、眠気表情評価の評価者負担を避け、同等の定量化が行えると考えられる。
結論
今年度は、ベッド周りでの介助における腰部負担の長時間計測、身体支持方法を検討するための実験ベッドの試作、臥床者の覚醒度評価手法の開発を行った。以上の結果を用いて、最終年度は自立度を高め介助負担を軽減するベッドを提案し、その評価を行なう。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
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