高齢者の社会参加・社会貢献の増進に向けた介入研究

文献情報

文献番号
200500278A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の社会参加・社会貢献の増進に向けた介入研究
課題番号
H16-長寿-031
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
新開 省二(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 佳典(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所 )
  • 佐久間 尚子(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団 東京都老人総合研究所 )
  • 角野 文彦(滋賀県湖北地域振興局健康福祉部(長浜保健所))
  • 吉川 武彦(中部学院大学大学院人間福祉学研究科)
  • 内田 勇人(兵庫県立大学環境人間学部)
  • 西川 武志(北海道教育大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、制度面から高齢者の社会参加・社会貢献の促進策を検討するのではなく、介入研究とその評価を通じて、地域福祉と学校教育という二つの領域での有効性と実行可能性の担保された高齢者の社会参加・社会貢献策(プログラム)を提案することを目的としている。
研究方法
地域福祉への高齢者の社会参加を促す介入事業は、埼玉県鳩山町を研究地域として平成14年度から実施してきており、本年度も介入事業(ボランティアの研修、介護予防事業の共同開催、一般住民を対象とした講演会の開催など)を継続しながら、平成14年と16年に実施した過去二回の社会活動性調査から社会活動性が変化した中高年者の特徴を分析した。また、学校教育へ高齢者の社会参加を促す介入事業として「世代間交流型社会貢献プログラム」(「REPRINTS」と名称)を開発し、平成16年度より全国3カ所(東京都中央区、神奈川県川崎市、滋賀県長浜市)で事業を立ち上げた(第一期)。本年度はサンプルサイズを大きくするためそれぞれの地域で第二期事業をスタートさせるとともに、これまでの事業の効果評価を行った。
結果と考察
地域中高年者において就労を除く社会活動3ドメインのうち、過去2年間で個人活動が増加した人の背景要因(独立した予知因子)は「健康度自己評価が高い」ことであり、社会・奉仕活動や学習活動が増加した人のそれは「地域共生意識が高い」ことであった。地域中高年者の社会活動性を増進する上で健康度自己評価や地域共生意識の向上が必要であることが示された。REPRINTS事業に参加したボランティア(n=56)は対照群(n=66)に比べ、主観的健康感やソーシャルサポート・ネットワーク、体力(握力)が高まるとともに、ボランティアが入った学校ではボランティアとの接触頻度が高い児童ほど高齢者イメージが改善した。
結論
地域中高年者の社会活動性を増進させる上では、健康度自己評価の改善や地域共生意識を育てそれに意識的に働きかけることが効果的であろう。REPRINTS事業はシニアボランティアの主観的健康感や社会的機能を向上させ、交流した児童には高齢者イメージの改善をもたらすなど多面的な効果をもたらす。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-